ただ孤独であること

「竹さんは私がいなくなったら寂しいだろうね」

「そうでもないよ」

「ええっ」

「うそだよ」

「ほんとう?」

「うそだよ」

「嘘の嘘で本当?」

「そうだな、本当だよ」

「どっちなの!」

「寂しいよ。とてもね」

「大丈夫だよ。私は龍だから、ほんのちょっとだけ長生きだからね」

「うん、ほんのちょっと、な」

「竹さんは寂しがりだから、私がいないとね」

「寂しがりではく別の表現を教えてあげよう」

「なんというの」

「孤独なのさ」

「寂しがりだね」

「まったく立派な龍の子だよ」

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