夢の世界を守るんじゃ!〜歌は夢見る魔法使い〜
数野衣千
第1話 夢の世界でこんにちは!うさぎ先輩!
表紙的な
私、
今日は入学式でした。
首席取った自分、新入生代表の挨拶ってやつを柄にも無くやったせいですこぶる疲れた。
制服の可愛さと全寮制、森の中の校舎、小中高とエスカレーター式の学園って所に、厨二心くすぐられたので入試、見事合格となりました。
あれですね、こう、場違いでしたな、あの、こういう金持ちぽい学園とか……
メンタル死ぬ。
オカンが特待生枠に入れんかったら諦めよ……って言うから頑張ったら首席でしたよ!
目立ちましたよ!
ホームルーム後割と囲まれましたよ!
お上品な言葉遣いと何やら高貴な会話にとても疲れた!
なんちゅうか本中華……
自分、普通に考えてる事とか行動は自分で言ってもなんだかアホなんですよ。
ボロが出ないように、微笑んでお話お聞きしておりました……
まっじつかれた。
帰ってきたら来たでオカンが撮った私の代表挨拶のビデオを家族総出で爆笑してた。
真面目な挨拶をしただけでこうとは、我が家族ながら、本当に家族だわってなった。
もし、弟が同じ事したら私も爆笑するよ。
「くっそ疲れた〜。あ゛ぁ〜! 寝よう、うん!!」
☆
目を開けると、森の中だった。
「夢か……散歩でもして癒されよう。」
森の中を歩く
緑と土の匂いが清々しく
頬を撫でる風が気持ちいい……
妙にリアルな夢だ。
触感が有るのか……
バシッ!!
「いてぇ!はっ?えっ?痛い……。えっ?夢なのに痛い?……まぁ、そういう夢か!」
踏んだ枝が木の枝を引っ掛けていたようで、引っ掛かりから抜け出した枝が勢いよく春菜の脚に当たった。
いつもの自分の部屋で、いつも通りベットで眠ったのに、いきなり森にいるとか夢以外ありえないからな。
まぁ、痛いのくらい、いいか、気にしなーい!
☆
と、
「数分前の自分アホーーー!!!!」
って言っても現状は変わらんのな。
目の前に迫り来るうさぎちゃんです。
かなりデカい……。
ふっわふわ真っ白な毛に、可愛いぴょこんとしたうさ耳、私の倍以上の大きさで、血走った大きなおめめ。俊敏で殺傷能力が高いキック……
うさぎちゃん?と、言うよりうさぎさん?うさぎ様?うさぎ先輩!……まぁ、呼び方は今どうでもいいだろ!
そんなうさぎ先輩にエンカウントしたのは先程。
なんかでっかいふわふわあるー!
って飛びついたら……
フワフワの下はゴリゴリマッチョだった。
怒ったうさぎ先輩に吹っ飛ばされて、近くの木に。
ドスーン!!
背中を打ち付けて、めちゃ、痛いの!!!
それでもお怒りのうさぎ先輩は攻撃してくる。
逃げ惑う哀れな私。
「わー!マジすいません!ほんと、マジ勘弁してください!あれです!あの!焼きそばパンとか自分パシられますんで勘弁して下さい!うさぎパイセン!!!」
蹴飛ばされて打ち付けた背中が痛い。
はい、あの、これ、夢にしてはリアリティ凄いっす!
痛いっす!
意味がわからん!
でも、あれ、あんな化け物さん、夢だろ!
いや痛いんだけど!
死んだら目が覚めるとかアリかなー……
迫り来るうさちゃんキックに、夢が覚める事を祈った春菜は目を閉じた。
「森のうさぎは、穏やかに〜♪華を〜愛し、微睡み誘い〜♪深い眠りに落ちなさい〜♪」
歌が聴こえた、音痴だ。
ってなんやねん人が絶対絶命やのに何呑気に歌っとんねん!!!
声の方を睨んだ。
そこには桃色の髪の穏やかそうな美少女が佇んでいた。
「大丈夫ですか?」
少女はふんわりと微笑んで春菜に歩み寄ってきた。
「きっ!来ちゃダメ!うさぎ先輩が……」
そういえばいつまで経っても蹴られてない。
うさぎの方をみるとうとうとと眠そうに船を漕いでいた。
「そちらに行ってはダメなのですか?」
「あっ、いえ、大丈夫です……」
はぇ〜、うさぎ先輩ねっむそう〜。
今なら、こう、硬いもので後頭部を殴打……
いや、その辺の枝で目玉を抉ったら……
春菜がうさぎの対処について悩んで居ると手を取られた。
「ん?」
「急いで逃げないと、うさぎさんが起きてしまいますから。」
ニッコリ笑った桃色の髪の少女は春菜の手を引き走り出す。
たゆん、たゆんー
おっぱいが揺れてる……
多分Gカップ位有るな……
さっきまで事をすっかり忘れておっぱいを見ている春菜。
ドスーん!!!
「あっ!大変!起きちゃった見たい!」
アワアワと慌て出す少女。
振り返るとうさぎ先輩が猛ダッシュで追いかけてくる。
「えりか!」
少女が叫ぶとどこからが美声が聞こえてきた。
「花汚さんとする者ー♪我の怒り空に届けー♪暗雲から落ちよ〜雷♪」
うさぎ先輩に雷落ちたよ黒焦げだよ!
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