第88話 ヴェルナース女帝の大失態
サリー:人間の皆さんこんにちは、ナレーターのサリーです。人界で起こった歴史改変事件の影響で対象となる魔界宇宙の人々がタイムパラドックス対策で隔離されていく中、どうやらこちらでも対象者が現れた様なのです。本来なら今回から3話に渡って国土争奪戦争があるのですが、なんだか嫌な予感がします。
魔界時間12:24 帝都内ホテル
アサギ:それにしても、朝から開戦される筈の国土争奪戦争が突然待機だなんて何があったのでしょうね?
イザベラ:テレビやネットのニュースでも情報規制が出てて情報がまるで入ってこないしね。
客室に入り土下座をするカルテ
アサギ:これはまた、綺麗なまでの土下座ですね。
イザベラ:あ、頭を上げて下さいカルテ宰相。一体何があったのですか?
カルテ:・・・この度は、今日に至るまでに様々な準備を万端にして挑んでくださろうとしていたのにこの様な事態になり誠に申し訳ございません!諸事情により我が国は国土争奪戦争管理法に基づき戦前降伏させていただきます事をにお伝えしに参りました。
アサギ:いきなり戦前降伏というのは一体どういう事なのですか?
イザベラ:
カルテ:はい、お2人はコンスタンツェという人間の女性をご存知でしょうか?
イザベラ:コンスタンツェ・モーツァルト。神聖ローマ帝国出身、80歳で亡くなったモーツァルトの奥さんでしょう?
カルテ:はい、実は3日前に時空管理局職員によるモーツァルトに関する記憶が10年以上定着している人がいないか検査をした時、女帝陛下にある事実が発覚しまして。
イザベラ:まさか、モーツァルトの妻と・・・
アサギ:モーツァルトの奥様って亡くなったのは80歳ですよね?関係を持つにしてもそれほどのお年寄りならヴェルナース女帝陛下の性癖から考えてあり得ないのでは?
イザベラ:おそらく没後転生の際に契約偉人として申請したんだと思うわ。それなら肉体の年齢を指定出来る、結婚当初の23歳になっていてもおかしくないわ。
アサギ:あ〜・・・成る程。
カルテ:
イザベラ:カルテさん、ヴェルナース殿に対する本音と建前が逆になってますよ。それが10年以上前だと?
カルテ:はい、15年前です。女帝陛下は時空管理局が指定したタイムパラドックスの危険性のある10年以上の記憶保持対象者だという事で対タイムパラドックスシェルターに連れて行かれました。
イザベラ:それにしたってなにも戦前降伏しなくても、国土争奪戦争管理法には血縁者であれば代理戦争も可能ではなかったんですか・・・あ、ヴェルナース殿のご両親は亡くなっている上に一人っ子でしたね。
カルテ:はい、先代皇帝陛下も皇后陛下も一人っ子のため代理戦争は不可能なのです。
イザベラ:そ、そういう事であれば仕方ありませんね。
カルテ:はい。それではこの後記者会見がありますので失礼致します。
一礼して客室を出るカルテ
アサギ:なんか、
イザベラ:そうね。
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