第20話幽霊船の謎を追え!(前編)

 アオイ:旧ジュエルスター王国所有の船舶が彷徨う星。帝国内では幽霊船の噂が飛び交っており、騒ぎが起きる前にイザベラ女帝陛下は調査計画を前倒しで行う事にしたのでした。


 魔界時間11:00 帝星宙域


『ヘルベルト帝国国防軍 巡視艦隊旗艦ウロボロス級巡洋艦』


 アイアン提督:帝星宙域は異常ないな♪


 中央モニターに映るシルヴァ総督


 シルヴァ総督:提督、帝星宙域近辺は異常ないか?


 アイアン提督:問題ありません総督。これより本艦隊は次の巡回宙域へ向かい・・・


 オペレーター:ん?何だこの反応。


 アイアン提督:どうした?


 オペレーター:それが、帝星北東部宙域にある『封鎖区画』にいた例の『幽霊船』と同じ反応の船舶が・・・あ、ロストしました。


 アイアン:ロストした?その近辺の次元エネルギーによるワープ反応は?


 オペレーター:・・・・・ありません。


 アイアン:正真正銘の幽霊船とでもいうのか⁉︎宮殿の女帝陛下に繋いでくれ。


 オペレーター:ハッ!


『帝都ジュエルロード 宮殿内』


 エリ:陛下、アイアン提督より通信が入っています。


 イザベラ:繋いでちょうだい。


 モニターに映るアイアン提督


 アイアン提督:申し上げます・・・


 イザベラ:用件というのは封鎖区画にいる筈の幽霊船が帝星宙域に現れた・・・でしょ?しかも反応はロストし、ワープ反応の痕跡が無かった。


 アイアン提督:流石です陛下!しかし何故お分かりに?


 イザベラ:理由は簡単よ♪先ず幽霊船は報告書にあった映像を解析した結果、アレは宇宙船であった事。そして当時最先端だった次元航行システムが搭載されていたという事。


 アイアン提督:それならば残留次元エネルギーが残っていた筈です!


 イザベラ:でもその痕跡が全く無かったのは何故かって言いたいんでしょ?


 アイアン提督:え?ええ、まぁ。


 イザベラ:記録によればその船には当時主流だった『時空航行システム』も予備として搭載されてたの。次元エネルギーより残留エネルギーとしては長く残ってる筈だからサーチしてみて。


 アイアン提督:ハッ!


 10分後・・・


 アイアン提督:陛下の仰る通り、時空エネルギーによる残留エネルギーが残っておりました!・・・しかしながら何故時空エネルギーだったのでしょう?


 イザベラ:まだ不安定だったからよ。おそらく航行中何かしらのトラブルが発生して時空航行システムに切り替わったと考えられるわ。なら答えは1つ。これから指定する宙域に行ってみて。そこに停泊してる筈だから♪


 アイアン提督:畏れながら、その根拠は?


 イザベラ:好きな所にワープアウト出来る次元航行システムに対して時空航行システムは特定の場所しかワープ出来ないの。だから航行範囲も絞られてくるってわけ♪


 アイアン提督:成る程!そこへ調査隊を送っていけば良いのですね?


 イザベラ:お願い出来るかしら?


 アイアン提督:お任せを!


『帝星南西部宙域』


 アイアン提督:本当にいた!


 オペレーター:陛下の読みは凄いですね!


 アイアン提督:調査隊は?


 オペレーター:小型艇に搭乗しております!


 アイアン提督:よし、小型艇発艦!


『幽霊船内部』


 ソナード博士:船内は随分と綺麗ですな。


 太郎:多分、自動清掃システムが生きてるんだろうね。さ、調査開始だよ♪



 後編へ続く・・・












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る