謝晦16 文帝答える2  

忠臣到彥之とうげんしは二万を率いて先鋒となり、

その装備が長江を輝かせている。


忠臣檀道濟だんどうさいは三万を率い、

その次手に。


忠臣段宏だんこうは騎馬隊二千。

竟陵きょうりょうより江陵こうりょうに進軍。


また忠臣劉粹りゅうすい河陰かいん地方から南下、

江陵に進攻中である。


忠臣張邵ちょうしょうはそなたらの退路を塞ぐため

秦州、益州と言った後背に回っている。


これらの総大将が、陛下である。


この六軍に攻めかかられるのだ、

例え謝晦しゃかいよ、そなたが

英布えいふ彭寵ほうちょうと言った名将クラスの

資質を仮に持ち合わせていたとて、

どう抗えようか?


そもそも、そなたが率いる

荊州けいしゅう兵たちも、もとは

住まっていた者が多かろう。

そなたのような罪人に駆り出され、

しぶしぶ従うものとて

少なくはないはずだ。


陛下は、謝晦よ。

ただそなたの罪にのみお怒りであり、

そなたの部下に対しては、

むしろ憐れんでおられる。



また、併せて

謝晦に付き従う者たちに申し伝える。

この宣告を見たのであれば、

速やかに謝晦を捕え、小船にて

その身柄を陛下に引き渡すようにせよ。


そなたらが謝晦の口車に

乗ってしまったことについては、

不問としよう。


既に他の者の処分は済んでいる。

傅亮ふりょうの三人の息子。

謝晦の同門のうち、

関わりの薄かった者たち。

徐羨之じょせんしの甥たち。

彼らは皆、既に解放された。


まして、荊州府の文武諸官よ。

そなたらは陛下のご意図を

実現するため荊州に赴き、

奉職していた者たちである。


たとえその身が荊州にあったとて、

心が陛下に向いていること、

陛下はよくご存じである。


災いから逃れるのは、早い方がよい。

機を逃せば、不幸な目にしか遭わぬ。


陛下の軍は、すぐそばにまで来ている。

一旦雷が落ちてしまえば、

いくらほぞをかんだところで、

もはや取り返しがつこうか?




使持節、中領軍佷山縣開國侯到彥之率羽林選士果勁二萬,雲旍首路,組甲曜川。使持節、散騎常侍、都督南徐、兗之江北淮南、青州、徐州之淮陽、下邳、琅邪、東莞七郡諸軍事、征北將軍、南兗州刺史、永修縣開國公檀道濟統勁銳武卒三萬,戈船蔽江,星言繼發,千帆俱舉,萬棹遄征。散騎常侍、驍騎將軍段宏鐵馬二千,風驅電擊,步自竟陵,直至鄢郢。又命征虜將軍、雍州刺史劉粹控河陰之師,衝其巢窟。湘州刺史張邵提湘川之眾,直據要害。巴、蜀杜荊門之險,秦、梁絕丹圻之逕,雲網四合,走伏路盡。然後鑾輿效駕,六軍鵬翔,警蹕前驅,五牛整旆。雖以英布之氣,彭寵之資,登陴無名,授兵誰御?加以西土之人,咸沐皇澤,東吳將士,懷本首丘,必不自陷罪人之黨,橫為亂亡之役。置軍則魚潰,嬰城則鳥散,其勢然矣。聖上殷勤哀愍,其罪由晦,士民何辜。是用一分前麾,宣示朝旨。符到,其即共收擒晦身,輕舟護送。若已猖蹶,先事阻衛,宜飜然背亂,相率歸朝。頃大刑所加,洪恩曠洽,傅亮三息,特蒙全宥,晦同產以下,羨之諸姪,咸無所染。況彼府州文武,並列王職,荷國榮任,身雖在外,乃心辰極。夫轉禍貴速,後機則凶,遂使王師臨郊,雷電皆至,噬臍之恨,亦將何及。

(宋書44-16_言語)




彭寵

英布とセットだし彭越ほうえつのことなのかなと思って、そしたら「寵」のつく姓の武将で反乱起したのって誰だよって考え込んでいたのだが(反乱起してない武将ならいる)、そしたらあーた、新末後漢初の将軍とか言われてしまいましたよ。そりゃみっかんないです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る