オタク達のサマーキャンプ
京正載
キャンプの準備をしよう。
長野県E市よりレンタカーで1時間と少々。郊外の殆ど知られていない、とある平原の一角に、その貸別荘はあった。
別荘とは言っても、古民家を改装したもので、見た目はどちらかというと田舎の一軒家に見えなくもない。
1階建の平屋で、古びた瓦屋根は苔に覆われている。
縁側からは竹で出来た垣根に囲まれた庭に出ることができる、昔のドラマやアニメで見るような家だ。風情があっていいと言う者もいるだろうが、本日の宿泊客である彼らには、そういった趣は理解し難かった。
実は今回、前々より気になっていた静岡県の朝霧高原キャンプ場に向かうつもりであったのだが、テント等の準備が間に合わなくて困っていたところ、上司の知人にこの別荘を紹介され、結局コテージでのキャンプとなったのである。
まあ、エアコンも大きなベッドも備えていたし、何より100インチのテレビと最新のブルーレイレコーダーが付いていたのが嬉しい。こちらに向かう前に、横田基地所属の同志から借りた新作お勧めDVDがある。これで今宵は退屈しないで済みそうだ。
夜のお楽しみとして、花火も大量に持ち込んでいる。
ああ、早く夜にならないだろうか?
彼の名はエドワーズ・ハンチントン。
短く刈られた黒髪に黒い双眸。小柄だが筋肉質の体躯で、アメリカ人ながら、どこか東洋人のような雰囲気がある。
エドワーズは夕食のデザートにと買ったスイカを持って庭に出ると、こちらに来る途中で道に迷ったせいもあり、日が西に傾いて空とあたりの草原が、血に染まったように紅かった。
「ふむ」
まあ、こういうのも悪くはない。本当はテント泊をしたかったのだが、せっかくの異国での夜だ。今回はこの夜を楽しもう。
しばし紅い大地を眺めてから彼は庭のそばにある井戸に向かった。最初は井戸があると聞いて、前に映画で見たような、髪の毛を振り乱した女が這い出て来るような感じの井戸を想像していたが、あったのは地面から突き出た手動式のポンプで地下水を汲み出すタイプだった。
ポンプの前には木で出来た桶がある。こういったモノはプラスチック製のバケツくらいしか見たコトがない彼には、ただ木を組み合わせただけの容器で、何故水が漏れないのか不思議であった。これが噂に聞く匠の技というものなのだろうと、製作者の技量に対して素直に感心した。
「Great!!」
エドワーズはポンプのレバーを慣れない手つきで動かし、地下水を汲み上げてその桶に注いだ。適量入れたところで手を水に浸し、温度を確認する。さすがは高地とあって、予想以上に冷たかった。これならスイカもすぐに冷えることだろう。エドワーズはスイカを桶の水に浸けると、水面に夕日が反射して、緑色のスイカまでが、血のような紅に染まったように見えた。
気のせいか、近くの森でセミの鳴く声が気になった。
確か「ヒグラシ」とかいう種類だ。
何故か日本の古い映画などでは、ヒグラシの鳴き声は、少し涼しくなった夕方を表現するシーンでよく出て来る。
「こう言うのを日本語で風流、とか言うのか?」
やはり日本人の感覚はよくわからない。
暑い夏に暑苦しいセミの鳴き声など鬱陶しいだけだろうに?
「スイカか。 そういえば子供の頃、よく夏にはテキサスの叔父さんの所へ行って……………ん?」
幼い頃の事を思い出そうとしたところ、さっき桶に入れたスイカに違和感を感じた。
何か黒いものが動いたように見えた気がする。
スイカの黒い縦縞が、波打った水面のせいでそう見えただけなのかもしれない。
「…………………………」
妙に気になり、エドワーズは桶の中に手を入れた。
冷たい水の中にあるのは、スイカのはずであった。
ところが触った感じはスイカとは思えない。
柔らかく、人肌のようだ。
さっきの動いていた黒いものは、人毛のようである。
水中で揺らめくその毛髪が、彼の手に絡まってくる。
「はて、そんなハズは?」
桶からその人体の一部っぽい物体を取り出し、目の高さまで持ち上げる。
見ればそれは、やはりスイカなどではなく、人間の頭部であった。
それも頭頂部が禿げ上がり、側頭部だけ生えた毛髪は頭頂部とは対照的に長く垂れ下がっていた。
たしかこれは、前に何かの資料で見たことがある、昔の侍が斬首された、晒し首とかいうものである。
「What?」
あまりのことに、エドワーズが呆気にとられて硬直していると、何とその生首は、かっ、と目を見開いた。
そして、
「ふはははははははははははっ!」
と、気味の悪い声で笑い出したのである。
「はははははははははっ!」
「…………………」
「はははははははっ」
「…………………」
「はははは、……は?」
「はぁ〜」
普通なら卒倒してしまいそうな状況なのだろうが、エドワーズはなぜかつまらなさそうに嘆息するや、左手で生首を掴み上げ、右手を自分の腰に回してそこに挟んでいたソレを引き抜いた。そしてソレを生首の顔面ど真ん中に突きつけるや、
パンッ、パンッ、パンッ!
乾いた音が辺りに響いた。
同時、9㎜弾を3発喰らった生首は、衝撃で数m飛んでその先の丘を転がり落ちていく。
確実に致命傷だろうに、なぜか生首は「うあああーっ!!」と悲鳴を上げていた(生首の段階で死んでいた筈かもしれないが)。
エドワーズの手の中のソレ、護身用に実家から持ってきたオーストリア製の自動拳銃、グロック26の銃口からは、細く白煙が上がっていた。 海軍入隊祝いに曽祖父からプレセントされたものだが、アメリカ人としては小柄なエドワーズの手でさえ、この拳銃は小さく感じる。 グリップを握ると小指一本余るので、どうにも落ち着かない。 とはいえ携帯性に優れていて気に入ってはいた。
するとそこへ、今の銃声を聞いて別荘から、一緒に泊まりに来ていた上官のウェルニッケ・コルサコフ少尉が、
「どうした、曹長?」
と聞いた。
長身で透き通るような見事な金髪を、整髪料でカチカチに固めて逆立てた、特徴的な髪型をしたロシア系アメリカ人の彼は、銃声を聞いたにも関わらず、さほど驚いた様子はない。
「いえ、問題ありません。すでに対処しました、中尉」
エドワーズは敬礼をして、再び桶の中を確認した。
スイカはちゃんとある。あの生首の下にあったようだ。
生首がそこにあったコトや喋ったコトは、別に気にしている様子は全くない。
「そうか。すぐに将軍が夕食の準備を始められる。それまでに用意をしておいてくれよ」
「了解」
「敬礼はよせよ。今日はOFFだ。閣下も無礼講と言っていただろ?」
「いや、ついいつもの癖で」
「まあいいか。それよりも喜べ。夕食はビデオでやってたスープパスタだ!」
ゴクリ、と喉が鳴った。
以前にビデオで見て以来気にはなっていたが、料理が不得手な彼は、まだその料理を口にしたことがない。
(ああ、これでやって夢が一つ叶うぞ)
たかがパスタ、それもインスタント同然の料理に胸が高鳴った。それほどまでに、この料理をビデオで見たときのインパクトが大きかった。
「じゃあ、あとは頼んだぞ」
コルサコフはお気に入りの、溶接工のような丸いレンズのサングラスのかけて、別荘の中に戻って行った。
それを見送り、エドワーズは改めてスイカを持ち上げる。
変な生首のせいで忘れていたが、回想の途中だった。
「スイカか。 そういえば子供の頃、よく夏にはテキサスの叔父さんの所へ行って食べた……………………、いや、あまり食べた記憶はないな。叔父さんとはいつもスイカを……………………」
と、幼少期を思い出す。
叔父はいつも自分の畑で採れたスイカを、よく牧場の一角に並べ、禁酒法時代に悪名を馳せたギャングのカポネのように、ドラムマガジンを付けたトンプソンの45口径マシンガンで撃って遊んでいたものだった。
「叔父さん、そういうのはJAPANでは『mottainai』って言うんだぜ」
「HA−HAHAHAHA! らしいな。 だが、今年のスイカは出来が悪くってな。 こんな使い道しかないのさ」
そうは言われても、どうにも納得できなかったエドワーズは、撃たれて砕けたスイカの破片を一つ口にした。
「……………………………」
すると、さっきの『mottainai』はどこへやら、
「Oh,yeah~!」
エドワーズも叔父に並んで、Rugerの22口径でスイカに風穴を空けて遊んでいたのだった。
「ふっ、懐かしいな」
目の前のスイカに、感慨深い何かを感じてため息をつく。
ポンポンとスイカを叩いてみる。いい音だ。きっと叔父さんと撃ったスイカと違って美味いに違いない。
ふと、厨房の方からいい匂いが漂って来た。しかしそれは、さっきコルサコフが言っていたパスタではない。
「将軍がスキレットで厚切りベーコンを焼いておられるようだ。そうか、12話の。やはり行きたかったな、朝霧高原。走って転んで草まみれになって、犬とフリスビーで遊んで、夜はスキヤキ…………、ああ、たまらん」
さて、読者諸氏の中には、もうお気づきになられた方もいるだろう。
そう、彼らは日本のとあるアニメに影響されて、いわゆる聖地巡礼をするため、来日したのである。
そのアニメ作品は、ど天然の女子高生数人がキャンプをする、といった内容の、オタク達の間でもケッコー話題になった作品であった。
エドワーズ達もすっかりハマってしまった方で、ここに来る前にも、作品で紹介された場所を巡って来ている。
富士山を望める本栖湖でカレー味カップ麺を食べ(ある意味聖地的扱いされてるここの公衆トイレも見て)、少し遠回りをしてその北西部にある
「明日の帰りには『
将軍もコルサコフもそのつもりだろう、先日は身延のホテルで、そのおみくじを買える光前寺の場所も確認済みである。
「こんな素晴らしい旅が出来るとは、俺は恵まれているな。すべて将軍のおかげだ」
エドワーズとコルサコフが敬愛する将軍、ヴィスコット・オールドリッチ中将との出会いは去年の事だった。
エドワーズとコルサコフは数年来のオタク仲間で、よく共にアニメを観ていた仲だ。そんなある日、彼らは衝撃的な作品と出会ってしまった。
- In this Corner of the World -
太平洋戦争当時の広島を舞台にした作品である。
この映画を観たとき、2人は感動のあまり、身体中の水分が涙となって溢れ出たのでは、と思えるほど号泣した。
同年、『your name.』という作品が話題となったが、それに勝るとも劣らない名作だ。
もちろん、2人は休暇を使って広島に聖地巡礼に行ったのは言うまでもない。
呉の町を歩き回り、ヤマトミュージアムの10分の1大和に圧倒されるも、艦首に波動砲発射口がないことにちょっと落胆してから、ついに広島の原爆ドームを前にした時、2人は映画の感動も相俟って思わず感涙し、無意識のうちに、ドームに敬礼してしまったのである。
かの映画を観た者なら、それは当たり前の(?)反応だったろう。
ただ、彼らは現役の米国軍人である。
一連のその様子を、不運にも観光に来ていた他の部隊の者に目撃されてしまったのだ。
かつて原爆を落とした側の国の軍人の、その行為は問題あるのではと、上層部に通報されてしまい、2人は呼び出されたのであるが、それを仲裁してくれたのが、ヴィスコット中将である。
「貴様ら、あの映画を観たのか?」
「y,yes…………………」
気迫ある将軍の問いに、2人は声音を震わせ答えた。
するとヴィスコットはニッ、と笑顔を見せ、
「呉で三ツ蔵を見たか? 私が行った時は場所が分からなくて見ることができなかったのだ」
と、少し残念そうな顔をした。
「は?」
「でも、広島では旧大正屋呉服店(今はレストハウス)には行ったぞ」
と言い、再び笑みを見せた。
「ま、まさか中将?」
「後は儂に任せろ」
「し、将軍閣下ぁぁぁぁっ!」
「一生、付いて行きますっ!」
それ以来3人は、階級を超えたオタク仲間となった。
「ああ、俺は何て幸せ者なんだ…………………」
コルサコフやヴィスコットのような、気の合う仲間との出会いに、思わず感涙するエドワーズ。
するとそのとき、丘の向こうから、何やらヨタヨタと、こちらに向かってくる何かに気が付いた。
さっきの生首のようだが、足もないのにどうやって移動できるのだろうか?
「お、おお〜いぃぃぃ……………………」
やはり肺もない筈だろうに、ゼェゼェ息苦しそうにしている生首は、エドワーズのそばまで来ると、
「い、いきなり何しやがるっ!」
と、人を驚かそうとしたくせに、勝手なコトを言った。
よく見ると、いつのまにかさっきの銃創が治りかけている。プラナリアかデビル◯ンダムのような自己再生能力があるようだ。
「む、これは何とも奇妙な生物だな?」
「生物じゃねぇぇっ! ってか普通驚くだろっ! 生首が喋ってんだぞっ? 怖がれよぉ!」
「ふむ、確かに少しは驚いたが、怖がる理由がない」
「へ?」
「貴様は頭部しかない」
「…………………」
「しかしこちらは頭部の他に胴も手足もある。つまり戦闘力はこちらの方が上だ」
「いや、そういった問題じゃねぇっ! ってか何だそのフルメタの主人公みたいな戦力の判断基準はっ?」
やはり足はないのに、起用にもピョンピョン跳ねて抗議の声をあげる生首。
すると、
ドォン!!
さっきの9㎜弾よりも重い、強大な銃声と同時、生首のすぐ眼前の地面が大きくえぐられた。
「………………………(汗)」
硬直し、驚きで点になった目を銃声がした方に向けると、エドワーズの様子を見にきたコルサコフの姿があった。
金髪に真っ赤なコート、溶接工風サングラス。彼の好きなキャラのコスプレ姿で、その手にはイタリア製のリボルバー拳銃、チアッパライノの357Magnumが握られていた。銃身の下に銃口がある独特の形状が、そのキャラクターが所持していた銃にソックリで、コスチュームに似合っている。
「何だ、その奇妙な生物は?」
「分かりません。何かの新種でしょうか?」
「こんな生物はアメリカにもいないな」
言ってコルサコフは、生首をむんずと掴み上げ、
「国に持って帰るか?」
「や、やめれ〜っ(悲)」
いつのまにか驚かしていた側の生首が、逆にいびられてしまっている。
「ワシントン条約に引っかかるのか?」
「い、いや、希少動物でもないし(慌)」
「ならば問題はないな」
「とりあえず、将軍にお見せしよう。何かご存知かもしれないし」
「ひぃぃぃぃっ!」
あわれ、生首はヴィスコット中将の前に引立てられて行った。
「おお、これは何と?」
驚嘆の声をあげるヴィスコットであったが、彼以上に彼の前に連れ出された生首の方も、心の中で驚嘆の声をあげていた。
(何、このオヤジはぁぁぁっ?)
見た感じは60歳代後半の老齢ながら、足腰もしっかりしており、その動きには年齢を感じさせないものがある。顔には年齢なりの深い皺が刻まれているが、白髪混じりの頭髪は長く、首元の後ろあたりで紐で括られていた。例えるなら、アクション映画俳優のスティーブン・セガールの老後のような雰囲気があり、目つきはまるで猛禽類のように鋭く、生首を獲物を狙う鷹のように睨みつけ、貫禄は十分なのだが、
「ええ〜と……………」
右手にさっきまでベーコンを焼いていたスキレットを持ち、左手に持ったボールには、湯煎して柔らかくなったチョコレートが入っている。長年使っているのか、ソースの古いシミがこびりついた、アニメ絵のエプロンを着た彼のそのいでたちが、全てをぶち壊していた。
「新種の生物か?」
真顔で問うヴィスコットに、
「違うっちゅーとろーがぁぁぁぁっ!」
どこかの転生スライムのように、ピョコピョコ跳ねながら抗議の声をあげる生首。もちろん、その某スライムのように愛らしくはない。
「新種の生物じゃねぇっ! オレはバケモノだっ! 少しは怖がれよっ!」
「HA—HAHAHAHA!」
「オール○イトみたいな笑い方やめろぉぉぉっ! ってか何でおまえら怖がらねぇんだよぉっ?」
「だってここは日本だぞ」
「………………だから?」
「ホン◯、ト◯タ、◯産、それにソ◯ーやニン◯ンドーにシャー◯にパナ◯ニック、さらにはニ◯ンやキャ◯ン、ミ◯ルタ他、数々の世界的大企業を創った日本なんだぞ」
「やたら◯が多いが?」
「仕方あるまい。ピーッ、の方がよかったか? まあそれはともかく、ハイテクばかりではない。世界中でヒットしている名作アニメやゲーム、マンガを数々世に発表し、多くの若者に影響を与えているのを知らんのか?」
「将軍、メイド喫茶を忘れてはいけません!」
「近年の深夜アニメの完成度の高さは、本当に素晴らしいですしね」
エドワーズとコルサコフも会話に割って入ってきた。
「うむ。本当にこの国の文化の影響力はすごい。現に『マク○ス』見てパイロットになった新兵は何人もいるからな」
「は、はぁ?」
「とにかく、この日本は何から何まで常識の枠を飛び越えた夢の国なのだ」
生首は訳が分からず問い返す。
「だ、だから何???」
「ハイテク不思議大国ニッポン! 何があっても不思議じゃないっ!」
「いやいやいや、十分不思議だろっ! 生首だぞ、生首が喋ってんだぞ。 バケモノなんて存在する訳ねぇんだよっ! 非科学的なんだよっ! ハイテクの国ならなおさらだろぉぉぉっ!!」
全力で自らの存在を否定する発言をする生首。
そんな生首の間抜け発言を気にするコトもなく、何かに気づいたようにコルサコフが、神妙な面持ちで、
「将軍、ふと思ったのですが……………」
「どうした?」
「いえ、百歩譲って、この生首の言うようにコレがバケモノだったとしましょう」
「譲られなくてもバケモノなんですけど」
生首の声を無視し、
「もしかしたら、首とは別に身体が別の場所にいるのではないでしょうか?」
「………というと…………もしや」
「デュラハンか?」
デュラハンとは、アイルランドに伝わる妖精のような存在である。もちろん、そういったまともな知識は彼らにはない。
「デュ、デュラハンッ!」
「ユ○
「
オタクモード全開の3人だったが、目の前にある生首は、どう見ても僕っ子メイドでも純真乙女でもない。それどころかブ○ッケン伯爵ですらない。
『はぁ〜、つまらん』
現実に引き戻され、落胆する彼らの態度が面白くない生首。何故か架空の小娘に負けた気がして、
「ち、ちくしょうっ! 覚えてろぉぉぉぉっ!」
涙目で跳躍し、
ガシャァァァーンッ
窓ガラスを突き破って出て行ってしまった。
「…………逃げてしまいましたが」
「構わん、ほうっておけ」
ヴィスコットは何もなかったように言い、黙ってエドワーズが飛び散ったガラスの破片の掃除をした。
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