2人きりの教室
tada
第1話 キス
私、風晴 雪は友人の雪晴 風と2人きりの教室でどうイタズラしようかを考えている。
風は私が高校に入って初めてできた友達で、なぜかはわからないが毎日のように教室で2人きりになってしまう。
最初の頃は色々話のタネもあったのだが、毎日のように話をしているとそのタネも無くなってきたので、最近ではどうイタズラをして風の可愛い姿を見ようかを考えるのが日課になっている。
このままだと何もできないで、下校の時間になりそうだったので私は、眼鏡をかけ机で本を読んでいる風の胸に向かって手を伸ばした。
「えいやっ」
そう言いながら風の小柄な胸掴んだ。
すると風は可愛い声で喘いだ。
「ああっ!」
普段はどちらかというと静かな方の風が、これだけ大きめの可愛い声を出すのは珍しい。
そんなことを考えながら胸を掴んでいた手を離していく。
完全に離れたタイミングで風の顔を見てみると、怒っていた。
「風さん? 怒ってます?」
一応確認を取ってみるが、当たり前の答えが返ってきた。
「当たり前でしょ! いきなり掴まれてあんな声まで出しちゃって、読んでた本をどこまで読んだかもわからなくなっちゃったし」
怒りつつも照れも入っているのだろう顔を赤らめている、腕を胸の位置に置き胸を隠すようにしてこちらを睨んでいる。
普通ならここで謝るが風相手には、ここでもう一回行っても大丈夫ということを私は知っているので、動き出す。
椅子に座っている風の両足の間に私の膝を置き、風のスカートを踏みつつ距離を詰めていく。
私は風の唇めがけて私自身の唇を近づけていく。
「ちょ、ちょっと」
風は慌てつつもあと少しで重なるというタイミングで、眼を瞑る。
ここだというタイミングで私は、自分の額を風の額に当てた。
「風、眼まで瞑ちゃって期待してたでしょ? 」
少し小馬鹿にした口調で風に喋りかけた、すると風は顔を私の顔からそらしながら。
「期待って何が? 別に何も期待なんかしてないよ、眼が乾いちゃったから瞑ってただけだしね!」
風はもの凄く照れていた、私が無理矢理顔を合わせようとしてもすぐにそらしてしまう。
「またまたー期待してたでしょ?」
ここで風の目の色が変わった、先ほどまでの照れが嘘のようにこちらを見ている。
逆にこちらが照れてしまい、顔をそらしてしまう。
すると風が立ち上がり、私の肩を掴み無理矢理椅子に座らせる。
そのままの勢いで、私の両足の間に風自身の膝を置き私のスカートを膝で踏みつつ、顔を近づけてくる。
ここで眼を瞑れば先ほどと同じことが起きてしまうが、どうせキスをするところまではいかないそう確信している私は、眼を瞑らず近づいてくる風の顔をガッツリと見つめた。
すると私の予想とは裏腹に風の顔はどんどんと近づいてくる。
私の唇を風の唇が触れたその瞬間、思わず私は仰け反ってしまった。
「ちょっと本当にする奴がいる?」
私は照れながら言ってしまった。
「だって雪がうざいぐらい聞いてくるから! これが私が期待してたこと、悪い?」
風は照れていた、私自身も照れていたのでそのまま沈黙が続いた。
沈黙を破ったのは風だった。
「あ、もう帰らないとやばいよ雪」
「うんわかった」
そう返事をして、先に教室を出た風を追いかけていく。
風を追いかけながら私はさっきのキスのことを、忘れられずにいた。
キスをしたのも初めてだったし、ましてやそれが女の子、こんなこと簡単に忘れられるわけがなかった。
なぜだか心臓もずっとドキドキしている、ただこれが何かなのかはわからなかった。
ただこれからがとても大変になるということだけは直感でわかっていた。
「早くー」
風が急かすので私は足早に風の所へ向かう。
そのまま私は家に帰って行く。
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