第70話 小雪と豆子の散歩道inベジタリア帝国

 ユリカ:ホッホ〜イ、ユリカだよ〜ん。最近あっちこっちで見かける小雪ちゃん、今回はどうやら国土争奪戦争管理委員会から招待を受けて来てるらしいけど・・・何で?


 魔界時間8:00 都内ホテル前


 小雪:おお〜っ!ええ天気だべな豆子♪


 豆子:アン、ア〜ン♪


 ユリカ:この仔犬は一見すると犬の赤ちゃんに見えるけど公安超大国ポリスティア合衆国の巨獣プリズンドーベルの後継種。女の子だよ〜♪


 小雪:春の陽気でポカポカするべ♡


 豆子:アオ〜ン♡


 ユキ:本当にお1人で大丈夫ですか?


 ユリカ:このお姉さんは天界宇宙最古にして最強の古代兵器ヴァルキリーはシングルナンバーズの一体でユキさん。


 ユイ:・・・・


 ユリカ:そんでもって、こっちの無口なお姉さんもシングルナンバーズでユイさん。戦闘には向かない支援型のヴァルキリーだよ。え?何で喋らないのかって?知らんよそんなモン。

 

『ブロッコリオ遊歩道』


 小雪:人参、玉ねぎ、キャベツに白菜、お野菜の国ベジタリア〜♫


 豆子:アン、アオ〜ン♫


 小雪:豆子は好きなお野菜あるだか?


 豆子:アン、ア〜ン♪


 小雪:ほうほう、豆子は大根が好きだか〜♪


 豆子:アンッ!


 小雪:おっ!なかなかオシャレなお店だべな〜♪


 カフェテラスの椅子を見上げる小雪と豆子


 小雪:座れねぇだな。


 豆子:クゥ〜ン。


 ウエイトレス:座りますか?


 小雪:抱っこしてくれるだか?


 ウエイトレス:はい、そちらのワンちゃんも♪


 小雪達を抱き抱え椅子に座らせるウエイトレス


 小雪:ありがとだべ♡


 豆子:ワオ〜ン♡


 ウエイトレス:(か、可愛い♡)ご注文は?


 小雪:オラはアップルジュース!


 豆子:キュ〜ン!


 小雪:豆子はミルクだって。

 

 ウエイトレス:畏まりました♪


 小雪:なんだか誰かに見られてる様な気がすんべ・・・んあ?  


 ボロを着た天族の女性が造花を路上で売る


 ???:何方か、何方か買ってもらえませんか?


 天界貴族:フンッ!身なりの汚い女だ、往来の邪魔だサッサと失せろ!


 小雪:豆子、ここでちょっと待っててくんろ。


 豆子:アンッ!


 椅子から飛び降り女性を庇う小雪


 小雪:やめろ!このお姉ちゃんを苛めるでねぇ!


 天界貴族:何だ?魔族のガキか、小汚い女にはけがらわしい魔族がお似合いだな。とても同じ天族とは思えんわ♪


 天界貴族の頭をエクスカリバーで叩く小雪


 天界貴族:グッ!貴様何をする!


 小雪:こんのおバカ!このお姉ちゃんは何もおめさに悪さしてねぇのになんでそんな意地悪するだか!


 天界貴族:貴様、私を誰だと思っている!あの天界宇宙貴族4大公の1ひとりガブリエル大公閣下の直系、ドルトン・ガブリエル伯爵なるぞ!


 小雪:株だかガブなんとかだか何だかオラにはむつかしくてサッパリだども、何処の誰でも弱いモン苛めは駄目だべ!


 ドルトン:な、なんだとこのガキ!


 女性の匂いを嗅ぐ小雪


 小雪:ん?おめさ、ホントにお家無いだか?お金無いだか?とても良い匂いすんべ。香水の匂いだべ。


 ???:うつ!


 ローザ:師匠の鼻はごまかせないよカトリーヌ♪


 ドルトン:カトリーヌ?え、ええ⁉︎


 小雪:ローザ知ってるだか?


 ローザ:知ってるも何もこの小汚い格好の姉ちゃんこそ、ガブリエル大公本家の当主、カトリーヌ・ガブリエル大公その人っすよ師匠。


 ドルトン:た、たたた、大公閣下⁉︎


 変装を解くカトリーヌ


 カトリーヌ:やれやれ、ゼウス様に言われて半信半疑でホームレスのふりして同胞を試してみたものの、励ましてくれたりまとめ買いしてくれるのは魔族ばかり。同胞の天族は見て見ぬふり、極め付けは・・・


 ドルトンを睨み付けるカトリーヌ


 ドルトン:うっ!


 カトリーヌ:まさか、身内がこんなクズ野郎だったとはね。こんな小さな子さえ真っ当な事言ってくれるってのにね。ローザ様、今度の天界宇宙貴族連盟議会でアマテラス様の案への賛成側に回らせてもらいますよ♪


 ドルトン:え⁉︎貴女が賛成側に行ったら反対派が圧倒的に不利になりますよ!


 カトリーヌ:だから?こんな現実目の当たりにされたら誰だってそうするでしょ?あ、それとアンタ伯爵位剥奪の上10年の謹慎後に一族から追放ね。


 ドルトン:そ、そんな!


 カトリーヌ:後日本家から通達あるからそのつもりで。


 近衛兵に連行されるドルトン


 カトリーヌ:さ・て・と、小雪ちゃん。何処かにオススメのお店ある?


 小雪:オラが居たあそこがオススメだっぺ♪ローザも一緒にどうだべか?


 ローザ:ゴチになりま〜す♡


 カトリーヌ:ローザ様、その子がローザ様の師匠とはいえ大の大人が幼女に奢られるのは流石にどうかと・・・











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