二十三話目~きよみ視点~

━━私達は高校二年生になった。

前も言ったように二年生は、進路について考え始める時期らしい。

私としては、アイドルを諦めて他の道に進むなんてもってのほかという考えだ。

たけるは、ゲーミングプログラマーになるつもりらしい。━━


「ねぇ、たける」

「なんだ?」

「私達、進路について、もう決めた訳じゃん?」

「そうだな。それがどうした?」

「あのね、お互いの為に一旦恋人を辞めてから進路に向けて頑張ろ?」

「...は?」


私は学校に行く途中、たけるに私の考えを話した。

たけるは一瞬対応が遅れながらも面食らった表情で私を見つめながら“どういうことだ”と続けた。


「いや、一回別れてから勉強に集中した方がいいかなって思って」

「えっと...とりあえず、まとめると...勉強を頑張るから別れようって事か?」

「まぁ...そうだね、そうなるね」

「...きよみはそれで良いのか?」

「良いから言って...」

「じゃあその表情は何だよ。嫌ですって顔をしてるぞ」


“私、本当はたけると別れたくない”


私はそう言って、私の本当の考えを話した。

私、実は、周りからアイドルを諦めてまともな道に進むように何度も説得されてきていた。

アイドルを諦めたくない、でも周りからそんな説得をされて、正直混乱していた。

どうすればいいのか、私もよくわからなくなってきていた。

しかし、この前の冬休みの事もあり、たけるに負担掛けたく無かった。

だから別れると言う話を打ち明ける事にしたのだ。しかし、当然ながら気持ちは追い付いてなかった。

たけるは、私の話を親身に聞いてくれた。その事で涙が止まらなくなってしまった。


「...ごめん、話聞いてもらっちゃって」

「良いんだ。きよみ、一人で抱え込むな。俺らは俺らなりにお互いの負担を分担して頑張っていこうよ」

「うん...」


私達は学校に行く途中でその話をしていたため、遅刻してしまった。

しかし、私達は何故か叱られなかった。


あとから聞いた話だが、担任の教諭が私を見て、私の精神が衰弱していることに気づいたらしい。

それに配慮して叱るのをやめたらしい。


━━高校の二年間は、あっという間に終わり、私達は受験生の学年、高校三年生へとなる。

その間に進路についてしっかり考え、私はアイドルを念頭に目指すことにして、頑張ることにした。

たけるはゲーミングプログラマーを目指して頑張ることになった。

バイトは、順調にたけるを倒れさせないよう頑張ってきた。

そして、私達は高校生活最後の年、高校三年生へとなるのだった...

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