第42話 The Last Victim
1990年11月6日 私はスヴェータを殺した
これが最後の殺人になるとは知らぬまま
警戒の目をくぐり抜けながら
彼女に声をかけて
警戒の目をくぐり抜けながら
人気のない場所へ
後はいつもの宴
たくさん殴って痛めつけて 殺すのだ
たくさん締めて痛めつけて 殺すのだ
たくさん斬って痛めつけて 殺すのだ
血肉熱死 血肉熱死 血肉熱死
肉肉赤赤 肉肉赤赤 赤赤赤赤
死死死死死死死死
ただ殺す際 彼女はまだ若いからか
私の想定以上の激しい抵抗を見せた
想定以上の激しい抵抗を見せてくれた
swgbなえり;bWth「@あgrhjyjせrひl@jjh!
彼女は意味不明な言葉で私を罵り続け
mKlヴゅvfffhあび;はいはhんあはんmm;!
彼女は私を引掻いたり殴ったりした
終いには私の手に思い切り噛みついてきた
おお! これは痛い! 痛い! 痛い!
私の手は傷付き 出血した
とても痛い! 痛い! 痛い! 痛い!
ここまでの抵抗は今までになかった
アハハハ ハハハハ
私はその意外性に思わず笑った
今まで以上に愉快な気持ちになった
赤い狂気が悦び 踊る
犯せ 壊せ 殺せ 犯せ 壊せ 殺せ 叫び笑いながら
赤い狂気はますます私を突き動かす
私は極上の気分で彼女を切り刻み
私は極上の気分で彼女を殺してゆく
さあ 目玉を抉ってやろう
安心するが良い 思い切り痛くしてやるから
さあ その肉を削ぎ食らってやろう
安心するが良い 狂いそうな程痛くしてやるから
反抗的だった彼女の顔は
次第に絶望で潰されていった
若い力で生きようとしていた彼女は
次第に死で塗り潰されていった
両目を失い 両手足をバラバラにされ
全身切り刻まれ 腸を晒し
彼女は死んだ
私が殺した
全て失った眼窩は ただ虚無を映し
まるで此処に何もないように思わせたが
何処かでテンションが狂ってしまったのだろうか
ふと気付くと 世界は全て赤で塗り潰されていた
私が全て赤く塗り潰してしまっていた
死体周りの床も 部屋の壁も
彼女の荷物も 私の荷物も
そして私自身も全て
彼女の血で赤く染めてしまっていた
極上の気分で殺していた私は
一気に地獄へ落とされた気分になった
私はこの血塗れの格好で
町を歩かなければならなくなったからだ
人前を歩かなければならなくなったからだ
嗚呼 全ての人が私を奇異なものとして見ている気がする
それと同時に実は見ていないような気もする
嗚呼 KGBが私を奇異なものとして見ている気がする
それと同時に実は見ていないような気もする
ぐるぐるぐるぐる 思考と妄想と願望が駆け巡り
ぐるぐるぐるぐる 私の脳味噌が混乱したその時
そんな格好で 何処へ行かれるのですか?
私はとある民警に声をかけられたのだ
その瞬間 全て崩れ落ちるような気がした
それは1990年11月6日の出来事だった
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