第21話 A Piece of the Insanity Ⅱ
GPTU第39職業訓練学校への転任を経て
私は第33職業訓練学校へ赴任した
生徒や教師の 侮蔑の言葉に晒される
屈辱の視線に晒される
前までのこの状況を変えてみせよう
今度こそ良い教師になろう
また決意し 新しい環境に臨んだが
結果として私は何も変われなかった
私の立場は何も変わらなかった
生徒達は私の股間をいじってしまう癖を
めざとく見付けては馬鹿にし
生徒達は私の完全には治らない夜尿症を
めざとく見付けては馬鹿にし
それにより体が少し臭ってしまうことを
めざとく見付けては馬鹿にした
学校での私のヒエラルキーは最低であった
此処の何よりもクズ それが私だった
昔あった立場よりさらに上を目指し 努力したのに
今では昔あった立場よりもずっとずっと下になっている
どうしてこうなってしまったのだろう?
いくら自問自答しても答は出てこない
どうしてこうなっても生きているのだろう?
いくら自問自答しても答は出てこない 嗚呼
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
もう下はない 私が最底辺だ
もう下はない 私が最底辺だ
内から外から声が聞こえる気がする
そんな多大なストレスを抱えた私は
思考がぐるぐる壊れてゆくようになり
何が現実で 何が妄想なのか
あやふやになってきていた
生徒が通れば 私を嗤っている気がした
同僚が通れば 私を嗤っている気がした
誰でも彼でも人が通れば 私を嗤っている気がした
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
いつでも 何処でも どんな時でも
私は嗤われても仕方ないのか?
ある日ふと思った
人を嗤うのは悪い子だ
人を嗤うのは悪い子だ
人を嗤うのは悪い子だ
嗚呼 そうか そうだったではないか
私をクズと馬鹿にするなら 罰に恥ずかしい所を触ってやればいい
これは罰であり スキンシップであり 教育だったじゃないか
逆に良いことをするなら 思い切り沢山撫で回してやればいい
これは褒美であり スキンシップであり 教育だったじゃないか
誰でも触ってやろう 私は差別をしない
色々な所を触ってやろう たくさんやってやろう
その様を妄想するだけで愉快だが
きっと実際にやればもっと愉快だろう
しかも相手が恥ずかしがれば恥ずかしがる程に
尚更愉快な気持ちになることができる
そしてきっと良い教師にもなれる
フフフフ アハハハハ
それは思わず笑いが零れてしまう
黒い罪の味 それを
より黒く より黒く より黒く
多大なストレスを抱えた私は
より黒い罪の味を求めるようになった
その先にあるのは奈落だけだと知った上で尚
思考がぐるぐる壊れゆく私は踏み止まれない
嗚呼 ずっとずっとずっと
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
嗤い声が聞こえる 嗤い声が聞こえる
いつでも 何処でも どんな時でも
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