お花様はすぐお腹がすく
純粋はちみつ
01
ぽちゃん・・・ぽちゃん・・・
水滴の滴る音で目が覚める。
ここはどこだっけ?
目を開けたつもりが、まったくの暗闇。
そもそも、目を開けたつもりであって、目を開けたという感覚がない。
何より体を動かそうとしても動かない。
まてまてまてーい。
落ち着け早まるな、冷静になれ。
まず、私はなんだ。名前が思い出せない。
そして、昨日まで何してた?そもそも1番記憶があるのはなんだ?
・・・覚えてない。
まって、まって。おちつこ。
せめて、ここはどこなんだ。空気的には若干ひんやりしてる・・・ひんやり?まさか墓場じゃないだろうな??
とりあえず、せめて周りがなんなのか分かるようになりたい。
空気感しかわからないから、結局ここがなんだな分からないままだ。
《スキル【感覚探知】【魔力探知】を獲得しました。》
んんん?
何かの声が聞こえた。
あ、でもこれは知ってる。世界の声だ。
星の声っていう人もいるけど、生き物が生きる上で何かしらの条件を満たすと「スキル」を覚える。そのスキルを覚えた時に覚えましたよって教えてくれる声だ。スキルの使い方は心の中でオンオフをするだけだ。っていっても熟練度が必要で、覚えたてはなかなか調整が難しい。
とにかくせっかく探知系を覚えたのだ。使えば周りがわかるかもしれない!
探知オンっ
そう思うとパアアアと私の周りの世界が広がっていく。
眼の前にはキラキラと輝くきれいで小さな池のような水たまりがあり、苔がはえている。
大きく伸びる木が鬱蒼としていて、森か山といったところか。
そして・・・私は・・・
・・・・・・
・・・・・え?
私を中心に展開した探知は私を中心にまわりを視覚化しており、それはまるで第三者目線で自分を中心にまわりをみていて・・・。
つまりなにがいいたいかというと、中心にいたものが私なのだけど。
・・・花だったのだ。
美しいコバルトブルーの。
花弁は6枚のきれいな青の花。
・・・だからうごけなかったのか・・・もしかして。
自分の姿に初めて本当に途方に暮れた。
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