第2話2人の剣聖

 アオイ:武の頂に至った武人は始めから誰の師事も受けていないというわけではありません。今回はムネミツ皇王様とその師匠のお話。さて、それは誰なのでしょうね♪


 魔界時間3:00 剣匠山けんしょうざん山頂


 莉音:ふむ、朝の鍛錬は身が引き締まる♪


 狼男:相変わらず精が出るな莉音♪


 莉音:お久しぶりです。師匠・・・いや、今は魔界宇宙中央政府4宰相、軍務大臣ゼン・ガグラでしたね。


 ゼン:今まで通り師匠で良い♪


 アオイ:このお方はゼン・ガグラ様、魔界宇宙を統べる魔界帝王様のNo.2で4宰相の1人です。天界宇宙最強の武人14天界王『八岐大蛇やまたのおろち』様と魔界宇宙最強の武人、地獄界の統治者『閻魔大帝』羅刹様の師事を受けた凄いお方です♪


 ゼン:お前ほどの者なら既に私の気配を察知してたのではないのか?その様子では『あえて背後を取らせた』といったところかな?・・・だが。


 瞬時に莉音の背後に回るゼン


 莉音:⁉︎


 ゼン:フッ、まだまだだな♪


 莉音:参りました、流石は師匠です♪


 山を見下ろすゼン


 ゼン:この国は芽吹いたばかりであまりにも幼過ぎる。今はまだ我々中央政府の保護下にあるが、大国クラスに昇格すれば保護も解かれたちまち超大国に狙われる。いくら魔界の戦争が一切の血も流れず死者の出ないものとはいえ。大事な国土とその国民を取られるのは忍びなかろう。


 莉音:敗けませんよ、そして誰一人渡しはしません。何故ならこの国の民は『家族』ですから。


 ゼン:民は家族・・・か。良い答えだ♪だが気を付けろ、この国を1番欲しているのは6大魔王の一角レプチャーダ女帝のNo.2、ウエポニア帝国皇帝ルドルフ・ウエポニアだ。


 莉音:魔界宇宙第2位の軍事超大国なら当然でしょう。フローズンダスト連邦以外で豊富な鉱物資源のある国はここしかないですからね。それに、ウエポニア帝国が狙ってくるなら逆に『好都合』です。


 ゼン:ほう。


 莉音:私の目標はこの国のかつての国土と散り散りになった職人達を取り戻す事。ウエポニア帝国にも魔王具職人がいるので。


 ゼン:成る程、宣戦布告の手間が省ける・・・か♪


 ゼンのデバイスの着信音が鳴る


 ゼン:私だ。


 軍務省士官:大臣閣下、今何方においでですか?帝王様がお探しですぞ。


 ゼン:おっと、もうこんな時間か。わかった、今行く。


 莉音:師匠。


 ゼン:ん?


 莉音:次にお立ち寄りの際は是非ともお手合わせ願います。


 ゼン:ああ、私もお前がどれだけ腕を上げたか見ておきたいしな。次訪れた時は必ず胸を貸してやろう♪


 1時間後・・・


 梨花:ふわ〜・・・・こ、皇王陛下!


 莉音:今起きたのか?


 梨花:何処行ってたんですか?いつもの鍛錬にしてはちょっと長かったようですが。


 莉音:師匠に久し振りに会ってな。


 梨花:帰っちゃったんですか?


 莉音:ああ。


 メイド:皇王陛下、朝食の支度が整いました。


 莉音:先ずは腹ごしらえだな♪


 梨花:はい♪








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