最終話:メインプレイ:クライマックス2-1

GM:では、先のお話通りにクライマックス2でございます。全員登場でお願いしますね。


ロジカ:シーンイン! (ころころ)6点上昇、177%!

守矢:シーンイン! (ころころ)6点上昇、177%!

真白:シーンイン! (ころころ)7点上昇、166%!

クラウ:シーンイン! (ころころ)5点上昇、161%!

ロボ子:シーンイン! (ころころ)1点上昇、164%!


GM:息も絶え絶えに、地に倒れる“ユートピア”。その口から、最期の言葉が漏れ聞こえる。


“ユートピア”(GM):「どうして理想郷を受け入れようとしない……何故、俺が負ける……」

ロジカ:「……理由なら、先程の戦いで肌で感じただろう」

“ユートピア”(GM):「貴様らを動かすそれは、一体何だ……何故……貴様らはそうまで戦えるのだ……!」

ロジカ:「確かにお前の力は凄かったさ。でもな、こっちには相棒がいる。仲間がいる。支えてくれた人たちがいる。だからどんなに苦しくても戦える。

 対して、お前の理想郷は……寂しすぎる」

“ユートピア”(GM):「誰もが望む力を手に入れられる……誰も力に虐げられない……それ以上の理想郷がどこにある……!

 力さえあれば、ユウは死ななかった。笑って生きていられた。だから……だから俺は……!」

ロジカ:「お前の無念はわかる。私も――そうだったから」

フィリップ(GM):「ロジカ……」


 敵拠点へ突入した際、沢山の犠牲が出た。助けられずに消える命を抱きすくめ、己を責めた。


ロジカ:「けど私には、仲間がいた。泣ける時間をくれる奴がいた。

 だから私も、お前にやろうと思う」

“ユートピア”(GM):「何を……何を、言っている……?」

ロジカ:「皆、一度、外へ出よう。そしてフィリップ。恐らく最期になるだろう。左翔一の言葉を聞いてやってくれ」

フィリップ(GM):「……ありがとう」

 静かに、“ユートピア”の――翔一の傍らにしゃがみ込む。

ロジカ:踵を返し手を振って、ロジカは大空洞から出ましょう。

真白:それに続きます。大空洞を出る直前に少しだけ振り返り、かつて逆の立ち位置に“ユートピア”――左翔一がいただろう事を考えながら。

クラウ:慈愛の笑みを浮かべてこの場を一度去る。彼らには、少しの時間が必要だろうから。


 PCたちが去り、静寂が訪れた大空洞で。フィリップの言葉が紡がれていく。


フィリップ(GM):「僕は、君にとって偽物かもしれない、けど話を聞くくらいはできるよ、翔一」

 かつてのユウと同じ笑顔を向け、語りかける。

左翔一(GM):「俺は……俺は、ユウ……う、お、おおお……!」

 砕けた鎧の隙間から、涙が溢れる。

「おお、おおお……うおぉおおおおお!!!」


 それは魂からの絶叫だった。理想郷の体現者でもなく、怪人でもなく。きっと左翔一もそうしたであろう、叫び。


左翔一(GM):「おお……うおおお……お、ぉ――」


 やがて叫びは途切れ途切れとなり、そして――。


左翔一(GM):「……あぁ……ユウ……あい、ぼう――」


 ――それが、彼の最期の言葉だった。


フィリップ(GM):「せめてあの世で僕と――ユウと出会える事を祈っているよ、翔一。

 ……切り替えないとな。せっかく皆が作ってくれた、生きるチャンスだ」

 目元を拭い、PCたちを呼びに走る。

「君の想いを連れて、僕は生きる。見ていてくれ、翔一」

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