最終話:メインプレイ:ミドル6-1(トリガーシーン)

GM:次はロジカのトリガーシーンですね。登場をお願いします。


ロジカ:シーンイン! (ころころ)8点上昇、74%!


GM:君は“彼”からの封書を開き、目を通していく。そこには――。


師匠(GM):『ロジカ・ミリターレ殿。

 この封書が読まれているという事は、俺は既にお前の側にはいないのだろう。

 弟子の成長を見届けられないのは残念だが、代わりに俺からの贈り物がある。受け取ってほしい。

 一つ目は俺のヒーローズクロス。これを譲り渡したいと考えている。お前の活動の一助になれば幸いだ。

 そして二つ目の贈り物だ。以下に記す識別コードを使って、イタリアのヒーローデータベースにアクセスしろ。

 続く封書は、それが終わってから開封する事』


GM:一通目の封書は、ここで終わっているようです。


ロジカ:「……フィリップ。本国のヒーローデータベースにアクセスだ。今すぐ」

フィリップ(GM):「了解した、少し待ちたまえ」

 記された識別コードを使ってアクセス完了。すると――。

「こ、これは……!?」

ロジカ:「どうした、何があった」

フィリップ(GM):「……これを見たまえ」


GM:では、イタリアのヒーローデータベースに記された情報を公開します。




◆情報「イタリアのヒーローデータベース」

<カヴァーネーム:ロジカ・ミリターレ>

<コードネーム:“シリエジオ”>

<分類:サイドキック>

<本名:水谷一華>

<主:scheletro骸骨




GM:第1話で真白が目にしたものと同じ情報が、イタリア本国のデータベースに記録されている。


ロジカ:「……へ? な、何で私の名前が書いてあるんだ!?」

フィリップ(GM):「わからない……二通目の封書に何か書いてあるかもしれない。読んでみよう」

ロジカ:「あ、ああ……わかった」

 と、今度は二通目をそっと開いてみる。



師匠(GM):『二つ目の贈り物は、お前が目にした通りのものだ。お前を俺の――イタリア政府トップエージェント“scheletro骸骨”のサイドキックに登録してある。

 何故、と混乱している事だろう。理由を記す。

 正直に言ってしまうと、お前を弟子にしたのはただの打算だ。

 イタリア政府のエージェントである俺がスムーズに活動するため、日本人の協力者として利用する腹積もりだった。

 だが俺は認識を改める事になる。お前の正義の心は、どこに出しても恥ずかしくない本物だったからだ』



ロジカ:「師匠……」

 封書を握る手に僅かに力を込め、呟く。



師匠(GM):『いつしか俺は本気でお前を鍛えるようになった。だが俺には俺のエージェントとしての任務がある。

 いつか俺は任務の中で終わりを迎えるだろう。そうなった時、お前はどうなる? それだけが心残りだった。

 俺が消えても、きっとお前は己の心に従い正義を成し続けるのだろう。だがな、ロジカ。悲しい事だが個人で成せる正義には限界がある。

 だから俺は、お前が乗り越えられない壁にぶつかった時の備えをする事にした。

 お前の立場ならイタリア政府の権限の一部を利用する事が出来る。それを使ってお前が何を成すのか。それは俺にはわからない。

 だが決して悪用はされないだろうと俺は確信している。何故ならロジカ、お前は俺の愛弟子であり、ヒーロー“scheletro骸骨”が認めた正義の人だからだ。


 最後に、この言葉を贈る。

 Lascerò la città俺の愛した che amo. 街を頼む。 Un eroe ”Ciliegio”ヒーロー“シリエジオ”

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る