最終話:メインプレイ:ミドル6-2(トリガーシーン)

ロジカ:「……まったく……敵わないな、師匠には」


 思い出す。白いスーツに帽子の似合う、F都を愛する男だった。

 そんな“彼”が残したものは、一人の少女に託すには過ぎたものなのかもしれない。それでも――。


ロジカ:「ありがとう、ございます」


 “彼”から譲り受けたヒーローズクロスに向けて、ロジカは呟く。

 師弟に、それ以上の言葉は不要だった。


GM:それでは、己の真実を知ったロジカに特殊リソースを配布します。こちらをどうぞ。




◆ロジカの特殊リソース

 取得しているヒーローズクロスのデータを、以下のものに書き換える。


骸骨の十字架クローチェ・ディ・スケーレトロ

種別:エンブレム/その他

必要経験点:-(GMからの配布)

解説:

 イタリア政府のエージェントであることを示す特別なヒーローズクロス。歴戦の証か、斜めに傷が入っている。

 バックトラックのダイスを振る前に宣言。あなたの侵食率を10点減少させる。この効果は1シナリオに1回使用できる。

 いつでも使用を宣言可能。イタリア政府の権限を利用して、望む物品一つを手配、入手する。GMはこの効果の使用を拒否できるが、その場合は使用回数にカウントしない。この効果は1シナリオに1回使用できる。




ロジカ:「――さて、問おうかフィリップ。お前にはまだ死ぬ覚悟とやらがあるか? ん?」

フィリップ(GM):「何て事だ……まさか僕が、こんな言葉を口にするなんて――降参だよ一華。いや、ロジカ・ミリターレ」


 唖然とした表情を隠しきれないフィリップに、ロジカは満足そうに頷いて見せる。


ロジカ:「素直でよろしい」


GM:さあロジカ。君は“彼”の残した力に、何を願いますか?

ロジカ:ふっ――当然、レネゲイドクリスタルだ! 特急で持って来い、イタリア空軍!

GM:了解です。では、騒ぎを聞きつけた他のPCも登場をお願いします。


PC一同:シーンイン!


ロジカ:では……廃工場の近くに飛来するC-27J軍用輸送機の轟音! そしてパラシュートで大型コンテナが降ってくる! そりゃあもう、ずどんと!

クラウ:「な、何だ!? 何の音だ!?」

ロボ子:「ワッザ!?」

真白:拳銃を片手に飛び出します!

守矢:「敵襲か!?」

ロジカ:騒ぎを聞きつけた一同の前に、不敵な笑みのロジカが現れ……。

「まずは諸君らに礼を述べねばなるまい。

 皆がフィリップを生かす方法を探り当ててくれたおかげで、必要な物資を本国に要求する事が出来た。グラッツェありがとう

フィリップ(GM):「本当に……ありがとうございます、皆さん」

真白:「……流石、やる事が派手だ。イタリア仕込みってやつですか」

ロジカ:「ふっ、クラウに負けず劣らず派手好きでね、どうも」

 指パッチンと同時、コンテナがパタンと四方に分かれ、中から青白く輝く結晶体が浮かぶ容器が出現する!


 予想外の展開に、ロジカの正体を知っていた真白を除く、一同の顔が驚愕に染まる。


ロジカ:「正真正銘、賢者の石だ」

守矢:(え、今まで本国とか言ってたの本当だったの? マジで???)

ロボ子:(唖然)

クラウ:「……何とかしたのだな。祝福させてもらおう。おめでとうロジカ。やはり余の目に狂いはなかったようだ」


 その言葉にロジカは首を横に振って見せる。


ロジカ:「何とかした、ではない。皆がいたから……何とか出来たんだ!

 さあ諸君。これで全てを救うハッピーエンドの用意が整った。後は――」

クラウ:「うむ。やるべき事は一つ」

ロジカ:「ああ。征こう、決戦の地へ。そしてこの芝居に幕を下ろそう」

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