第4話:メインプレイ:エンディング1-1
GM:まずは共通エンディング。クライマックス直後のシーンからです。全員登場でお願いします。
PC一同:シーンイン!
GM:気を失ったフィリップを連れて拠点の外に出た君たちを出迎えたのは、歓声ではなく、むせ返るような血の臭いだ。
“ユートピア”が暴れ回ったのだろう。死屍累々という言葉が良く似合う有り様だった。
敵施設を包囲していた警察とUGNの合同部隊に、多数の死者が出ているようです。そして、既に“ユートピア”の姿はそこにはなく。包囲網を突破してどこかへと逃亡したのだとわかるでしょう。
ロジカ:「これは――」
守矢:「……間に合わなかったか」
ロボ子:「なん……アイツ、一人でこれを……?」
クラウ:「……遅かったか。しかし、この人数を一方的にとは……」
真白:「酷い……有り様ですね……」
そう言っている真白もボロボロです。
GM:惨状に出迎えられた君たちの前に、足を引きずり、腕を吊った状態の目暮警部がやって来ます。
目暮警部(GM):「突入部隊、無事だったかね! ああ、良かった。“ユートピア”を名乗る怪人と交戦したのだが……すまない。まるで歯が立たなかった……」
守矢:「目暮警部の責任ではありません。奴を留めておけなかったこちらの問題です。
この惨状を見ての通り、力量差は圧倒的だったろうからネ……」
真白:「……負傷者の収容は、既に終えたのでしょうか」
ロジカ:「そうだ! 要救助者がいるなら、早く!」
ロボ子:「とにかく、生存者の保護を。動ける人と動けない人に分けて、後者を僕らで運ぶよ!」
目暮警部(GM):「すまないが、よろしくお願いします。この状況だ、人手はいくらあっても足りない」
クラウ:「しかし、これほどの被害が出るとは……少数精鋭で臨むべきであったか」
守矢:「気に病み過ぎるな。我々はあの時点で最善を尽くしたはずだ。たらればで救える命もない」
そんな守矢の言葉を耳にしながら、傷の浅いロジカは率先して救助活動を手助けしていく。しかし――。
ロジカ:「……そっちはまだ大丈夫か。ならこっちは……!」
そうして一人の警官を抱き起こし、驚愕の表情に染まる。
若い警官(GM):「…………」
ロジカ:その警官の名前は知らない――だが、そのぴかぴかと輝く目を覚えている。なぜなら彼は……ロジカにエスプレッソを淹れてくれた警官だったからだ。
「そん、な」
何度、思考を巡らせても、ロジカの明晰な頭脳は同じ答えを導き出す。彼の命の灯は、既に――。
「ユートピアァァァアアア――ッ!」
夜空に、絶叫が響き渡った。
ロジカ:「お前の言う格差のない社会――今の時代は難しくても、いずれは、と思う程度には共感していたんだぞ!」
オーヴァードとして異端視されていた自分を救ってくれた友人もまた、同じオーヴァードだったという過去。ジャーム化の問題さえ片付ければあるいは、と思わずにはいられなかった。
「それが、それがッ! 結局やる事は殺しか!」
悔しそうに、真っ赤な目を擦る。
「うっ、うう…………ぐすっ」
そんなロジカを見て、一同もまた、悔しげに表情を歪める。
真白:「……くそ、無力だ。大事な人は身を挺してしか守れない。これだけの負傷者を前に救護の知識もない。水谷さんにかける言葉だって……」 ぼそり
守矢:「……彼らは警官として職務を全うした。彼らが戦っていなければ、F都民にだって被害が出ていたかもしれない。
ならば我々が彼らの意志を継いで、全力でF都を守る他あるまい……泣いている暇はないはずだ」
クラウ:「……ロジカ、目を逸らしてはならぬぞ。これが堕ちるということだ。理想も、現実も、妄想も全てが一緒くたになり、無に帰してしまう……」
ロジカ:「けど……けどっ! こんなのって……!」
守矢:「いい加減にしたまえ! 私とて同僚をなぶり殺しにされた! 黙っていられるわけがないだろう!」
クラウ:「……辛いのは、皆が同じだ。顔を上げ、前に進もう」
ロジカ:「っ……正直、まだ心の中がぐちゃぐちゃだけど。
やるべき事は、わかる。“ユートピア”を、止めなきゃいけない……」
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