第4話:メインプレイ:エンディング1-2

 叱咤されるロジカ。そこで、ロボ子が彼女の側に寄っていく。


ロボ子:「ロジカ、ちょっと失礼」

 そのまま抱え上げるよ。抵抗する?

ロジカ:ロボ子……? いや、抵抗はしない。

ロボ子:ギア・アップに放り込んでエンジン起動。

「ちょっと借りるよ!」

ロジカ:「う、うわ!?」


 ロボ子は唐突にロジカを連れ出し、人目に付かない場所へと運んでいく。


ロボ子:「ここなら、誰にも横槍を入れられないよ

 今だけ許された場所だ。必要なら、僕も5分だけ電源を切るよ」

ロジカ:「……1分で良い。まだ……やるべき事は残っているはずだ」

 そう言って、静かに座り込む。

ロボ子:「……そう、じゃあ1分だけ。ここは君だけの世界だ」

 隣に座り込んで、手を差し出す。

「親指を倒せば、スイッチオフだよ」

ロジカ:「…………」

 静かに、その親指を倒す。

ロボ子:電源オフ。力なくうなだれて、さあ、もう誰も見ていないよ。

ロジカ:……やがて、軍服風のヒーローコスチュームのズボンにぽたぽたと水滴が落ちて、ロジカはそれを拭って。




 ロジカは――水谷一華は何度も謝罪の言葉を繰り返し、大声を上げて、泣いた。




ロジカ:そして、丁度1分後。

「……世話をかけたな、ロボト。もう大丈夫……とは言い切れんが、少しは……気持ちの整理が出来た」

 そう言う彼女の目元は、何度も擦ったせいで真っ赤になっている。

ロボ子:「そっか。良かった」

ロジカ:「――戻るぞ。仕事は、山ほどある」

ロボ子:「忘れないで。僕はちょっと違うけど……君も、皆も、ヒーローである前に人間だよ」

ロジカ:「……ありがとう」

ロボ子:「君のその心は、紛れもないヒーローの証だ」

 ギア・アップに乗って、さあ戻ろう。

ロジカ:何も言わずに乗り込んで、髪を風になびかせ……シーンエンドだ。

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