第3話:メインプレイ:オープニング4
GM:次が最後のOPですね。真白の単独登場です。お願いします。
真白:シーンイン! (ころころ)1点上昇、38%!
GM:君は現在、非番で家に待機中だ。仕事を終えて帰ってくるだろう守矢のために料理をしているところ、でいかがでしょう。
望むなら<芸術:料理>で判定も可能です。
真白:! 判定します!
コンボ「
いざ~! (ころころ)達成値、42です!
一同:!?
守矢:プロもひっくり返るレベル。やっぱり温かい手料理は最強やな。
GM:すげぇ……とてつもなく美味しい料理が出来上がりました。守矢も塀を飛び越えて来るレベル。
真白:「これでよしと……早く帰ってこないかな、守矢さん」
GM:料理を盛り付けながら、真白はふと思い出す。
こうして一日三食、温かいものを食べられるなんて、“あの頃”は思ってもみなかった。
生きるために盗みを繰り返し、それでもご飯は一日一食、運が良ければ二食。菓子パンがいくつかあれば贅沢な方だったでしょう。
というところで、軽く回想に入りましょうか。
真白:は~い。
自分の名前が嫌いだった。
両親はいつだって喧嘩ばかりで、およそ楽しい彩りとは程遠い毎日。そんな毎日が嫌で、争ってばかりの両親はもっと嫌で。そんな彼らにつけられたこの名前が、心底嫌いだった。
とうとう堪忍袋の尾が切れた私は――家を飛び出し、ヴィランになった。
そんなある日、盗みを続ける中で、黒ずくめの少年と知り合って。私たちは意気投合して、同じねぐらに帰るようになったんだ。
金髪金眼の“少女”と、黒ずくめで鋭い目つきをした“彼”は、ねぐらにしている廃墟で今日の成果を分け合っていた。そんな時、ふと“彼”が口にしたのだ。
黒崎幸也(GM):「……なぁ、そういやさ。お前って名前で呼ばれるの嫌いなのか? 呼ばれるたびに微妙な顔してるよな」
少女:「……まあ、な。あんまし良い思い出はないな」
黒崎幸也(GM):「そっか。俺は自分の名前、気に入ってるけどな。『黒』と『幸運』が入ってる。俺に相応しい名前だ」
少女:「それは良かったね。生憎こっちは、相応しくもなんともないよ」
黒崎幸也(GM):「……本名が嫌なら、ヴィランらしく別の名乗りでも考えればいいんじゃね? なんなら俺が考えてやるよ」
少女:「別の、ねぇ……」
黒崎幸也(GM):「そうだなぁ……
少女:「ぷっ。あっはは! 随分と運が良さそうな名前だ!」
黒崎幸也(GM):「お前は俺の相棒だからな。俺の名前と対になるように、『白』と『幸運』を組み合わせてみた」
少女:「ああ。いいんじゃないか? 気に入ったよ、凄く」
黒崎幸也(GM):「お、そいつは良かった。うっし、んじゃ食おうぜ。あー腹減った」
GM:そう告げて幸也は、自分の菓子パン――もちろん盗んできたもの――にかじりつくのだった。
ロボ子:あぁあああ白黒兄妹……。
ロジカ:ぐはっ……。
クラウ:うぉぉぉ……。
守矢:みんなダメージを受けておる……。
GM:これは記憶。すでに終わった過去のことだ。
少女が幸坂真白になった日。彼と過ごした、かつての日々。貧しく苦しかったが……それでも真白にとっては大切な思い出だ。
真白:「……幸運、か。間違いなく、この名前は幸運の象徴だったよ、幸也」
GM:そうして過去に浸る真白の端末に、守矢からメッセージが入る。守矢のOPの内容を簡潔にまとめた内容ですね。
新たなRメモリの出現、すなわち真白と守矢の出番だ。
真白:(新しい、Rメモリ……!)
はぁ、と溜め息を一つ。
(せっかく作ったけど、帰って来られそうにないか)
お料理をラップして冷蔵庫にしまいつつ。
「仕方ない。面倒くせぇけど、生きるためだ! それに――」
ふと、無意識に左手首のチェーンに触れる。
(Rメモリを放っておいたら、いつか幸也が――)
真白の左手首に飾られたチェーン。これは、アイテム「デビルズキャスケット」の外見を《テクスチャーチェンジ》によって変換したものだ。
真白が幸也と行動を共にする中で入手した品であり――彼との思い出を象徴する一品でもある。
GM:かつてのヴィラン、そして現在の警察ヒーローである真白は、思い出をそっと胸中にしまい込み、闘志を新たにするのであった。シーンエンドです。
守矢:うちの相棒バリ最高じゃん?
ロボ子:幸せになってほしぃ……。
GM:いや、幸坂真白が偽名と聞いた時には驚きましたね。
クラウ:さらっとシリアスぶち込んでくるよね。本当に巧妙で見事。
GM:これで初心者だってんだから恐ろしいよねぇ。
真白:色々と兄姉たちに教えてもらいながらキャラ作ったから、シリアスがさらっと入ってくる~(笑)
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