第2話:メインプレイ:エンディング1
GM:では、ロジカのエンディングからです。シーンインをどうぞ。
ロジカ:うむ。シーンイン!
GM:さて、氷の怪人事件から少し経った頃。ミリターレ探偵事務所の扉を開く音が響く。
事務所に入ってきたのは、情状酌量の余地ありとされ保釈という判断を下された涼花だ。
涼花(GM):「こんにちは、水谷さん。フィリップさんも。素敵な事務所だね、ここ」
フィリップ(GM):「やあ、ミリターレ探偵事務所へようこそ」
ロジカ:「……おや、誰かと思えば氷野か……ってそうか。貴様はそう呼ぶよな」
涼花(GM):「今日はその……この間の件のお礼に来たの。
今回は、ご迷惑をおかけしました。私と兄を止めてくれて、本当にありがとう」
ぺこりと頭を下げましょう。
ソファに座り、フィリップに人数分のエスプレッソを注文しつつ、ロジカは告げる。
ロジカ:「――気にするな。私はただ、街を泣かせる者を倒したに過ぎない」
涼花(GM):「水谷さん……ありがとう。F都を去る前に、ちゃんとお礼が言えて良かった」
ロジカ:「……そうか。この街を去るのか。寂しくなるな」
涼花(GM):「うん、さすがにあんな事件を起こした後じゃ、この街にはいられないから……引っ越すことになったの」
ロジカ:「……またいつか会おう。君は友人だ。変わらずに、な」
涼花(GM):「うん……嬉しい。それじゃ、もう行かないと。元気でね、名探偵さんたち」
フィリップ(GM):「……ええ、お元気で」
ロジカ:「達者でな。ああ――そうだ。餞別に、ひとつ真実を教えてやろう。
水谷一華はカバーネームに過ぎん。私の本名は、ロジカ・ミリターレというのだ」 キメ顔
涼花(GM):「ロジカ・ミリターレ……うん、わかったよロジカさん。教えてくれてありがとう」
ロジカ:「引き止めて悪かったな。何か困りごとがあれば、再びこの扉を叩くがいい。ミリターレ探偵事務所を」
涼花(GM):「……うん。それじゃあ、またね」
最後にもう一度ぺこりと頭を下げて、君たちに小さく手を振り。そうして彼女は――氷野涼花は探偵事務所を、そしてこの街を去っていった。
そして――。
相変わらず人の気配の薄いミリターレ探偵事務所で、フィリップはコーヒーを淹れつつロジカを見やる。
フィリップ(GM):「Rメモリに狂わされた兄妹の愛、か。哀しい結末になったね。大丈夫かい、ロジカ?」
ロジカ:「何が、だ?」
フィリップ(GM):「……いや。みなまで言うのも無粋だね。なんでもないさ」
そう言って、濃いブラックコーヒーをロジカの前へ。
「今日はこっちの気分なんじゃないかい?」
ロジカ:「ふっ……フィリップが心配なんて、生意気だぞ――」
コーヒーを受け取り、ゆっくりと嚥下する。
いつも以上に苦く感じられるコーヒーを口に含みながら、ロジカはふと、“彼”の教えを思い出す。
『探偵について回るのは、輝かしい成功の物語だけじゃない』
『その裏には多くの失われたものがあって、誰かの痛みが存在している』
『だから、それを背負えるデカい人間になれ』
ロジカ:心の中にまで染み渡る純黒の渋み。その胸中で、“彼”の言葉に思いを馳せる。
街は変わっていく。建物も人も。それが自然の光景なのかもしれない。されど――私は認めない。街を泣かせる者を。
フィリップ(GM):「Rメモリ。人を狂わせる、魔のガジェット……僕たちで、この街を守らないとね」
ロジカ:「ああ。F都のどこかで泣く人の、痛みを背負い、涙を拭う。それが私たちの仕事だ、相棒。
そのためにも――Rメモリは、必ず」
静かな決意と共に、ロジカはカップを傾けるのであった――。
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