第1話:メインプレイ:日常シーン(UGNバディ)

GM:……と言っても。いきなり慣れないステージで本番のRPもなんですから、まずは各PCの日常を演出していこうかと思います。

 バディごとに登場侵食なしでシーンに出てもらい、各々の過ごすRWステージでの日常を描写していただきます。


ロジカ:なるほど。

真白:ふむふむ~。

守矢:了解。


GM:というわけで、まずはUGNバディの日常シーンから始めていきましょう。RWステージでは一般に存在が秘匿されている、ジャームの討伐を行なうシーンです。

 クラウとロボ子はシーンインお願いします。シリアスするよ!


クラウ:お、早速出番か。ではシーンインだ。

ロボ子:行こう、クラウ。シーンイン。


GM:描写を始めましょう。

 時刻は深夜――人々の寝静まったとある街の路地裏で、その戦いは決着を迎えようとしていた。

 君たちに下された任務は、ジャームの討伐。討伐対象は……ジャーム化した、元ヒーローだ。

 UGNのジャーム処理班「ハンターズ」所属の「“エピタフ”墓守清正(サプリRW記載)」と共に、君たちは獲物を追い詰めていた。


ジャーム(GM):「よせ! 私が何をしたと言うんだ!? UGNはヒーローの味方じゃないのか!? くそ、くそっ!」

クラウ:「ふむ……存外、苦戦はしなかったな。流石はロボ子と“エピタフ”といったところか」

ロボ子:「クラウの牽制がなかったら、突破されてたけどね……ごめんね、君はやり過ぎちゃったんだ」

クラウ:「うむ、そうだな。お主(ジャーム)の言うことは概ね間違いではない。だが、お主は既に変わってしまった」

ジャーム(GM):「嫌だ……嫌だ嫌だ! 死んでたまるかァァァ!」


 ジャームは必死の形相で、包囲の突破を試みる。だが、しかし。次の瞬間、その目に映ったのは、闇夜を切り裂く炎の赤だった。


クラウ:「やらせぬよ」

 炎で構成された巨大な剣で、ジャームを壁に串刺しにする。

ジャーム(GM):「があああああッ!」


GM:さて、このジャームはエキストラです。誰がトドメを刺しますか?

クラウ:特に希望がなければ、このまま私が。

ロボ子:そこはやっぱりクラウでしょ。

GM:では、“エピタフ”は万が一に備えつつ、それを静観していましょう。


クラウ:「余に拷問趣味はない。これ以上、苦しむことはない。もう休むがいい」

 一瞬で熱量を上げ、痛みを感じさせぬようトドメを刺しましょう。


GM:君の最後の慈悲にジャームは悲鳴をあげる間もなく絶命し、塵に帰った。


ロボ子:「……消えちゃった」

“エピタフ”(GM):「……任務完了か。手間ァかけさせたな。後はこっちで片付けとく」

クラウ:「では、その言葉に甘えるとしよう。さ、ロボ子、行こう。

 何か問題があれば、また余を呼ぶがよい。一瞬で片を付けるゆえな」

“エピタフ”(GM):「頼もしいねェ。あァ、そうだ……アエストゥス。前に言ってた『Red Lotus(音楽グループ)』の新譜だ。礼のついでに持ってけ」


GM:“エピタフ”は巨大な墓碑槍を肩に担ぐと君たちへ向き直り、協力への礼と共に楽曲データ入りのチップを放り投げてくる。


クラウ:「なぬ!? これはありがたい! お主のセンスはピカイチゆえ、毎度の楽しみなのだ」

ロボ子:「また、お気に入りが増えるね」

クラウ:「うむ、これは後でゆっくり楽しませてもらうとしよう。ロボ子も共に聴くか?」


 クラウをサイドカーに乗せたロボ子の愛車、ギア・アップの周囲に電磁浮遊していたパーツ群が偽装バイクの形に組み上がり、車体に設置されたスピーカーからエンジン音が発せられる。

 このバイク、バイクとは名ばかりでパーツのほとんどが戦闘用のビットで構成されており、エンジンなどは積み込まれていない。ロボ子の電気を原動力とする特注品である。


ロボ子:「そうだね、今日は一緒に音楽でも聴きながら、ゆっくり過ごそっか。

 “エピタフ”も、気をつけて」

クラウ:「うむ、ではそうするとしよう。心配してはおらぬが、安全運転で頼むぞロボ子。

 ではな“エピタフ”。また会おう」

“エピタフ”(GM):「あァ、おつかれサンだ」


GM:“エピタフ”に別れを告げ、君たちは闇夜にバイクを走らせる。


ロボ子:「……僕たちも、この十字架には、逆らえないんだね」


 ヒーローを守りながらそれを監視するための十字架、ヒーローズクロスに目をやり呟かれたロボ子の声は、偽物のエンジン音に紛れ、夜の帳に溶けていった――。

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