第92話 5次元銀河司令センター

Rei「どうしたの、Haru


真剣な顔をして」


Haru「Ruiの母親が亡くなった」


「あっ、Ruiって確か普通転生者の」


「あぁ」


「そうだったの」


「いくら決まっていたこととはいえ


Ruiの気持ちを考えると」





「そうよね、普通転生者は


あらかじめ大まかな人生設計をしてから


転生をするけど


母親が亡くなることは


はじめから決まっていたのね」


「まぁ、そんなところだ」


「そう」


「Ruiの今世の使命に


人を助ける仕事に就くというのが


あったからな」


「そのために


お母さんとの経験が必要だったのね」





「そうだな


RuiとRuiの母親は親子というよりも


時には兄弟で時には親子のようで


時には親友のようで


ある時は恋人同士みたいだったり


不思議な関係だった」


「ふーん、なるほど」


「どうした?」


「Haruの言うことは当たってるわ


二人は何度も輪廻を繰り返しては


色んな形で出逢ってる


時には兄弟として、それから親友として


恋人としても」





「ということは」


「そう、彼女もまた降りてきていたのね


普通転生者として」


「そういうことか」


「彼女は自分がRuiの使命を


叶えてあげたいと


思っていたはずよ、魂のどこかで


それぐらい彼女はRuiに惹かれていた


一つの人生が終わって


例え記憶はリセットされても


魂には今までの記憶が刻まれているから」


「そうだな


昔はそんなこと一切興味なかったけど


今はそういうことあると思うよ」





「ふふ


Ruiが普通転生者になったから


今世二人は再会を果たすことができた」


「確かに


Ruiが特別missionで


Miiaと一緒になっていたら


二人は出逢うことはなかった」


「そう、Ruiはあの時


悲しみのなか命を断って


今も母親が亡くなって


悲しみのなかにいると思うけど


きっと母親であったMikiさんと


再会できて喜んでいると思うわ


MikiさんにとってRuiが


忘れられない存在だったように


Ruiにとってもまたそんな存在だったと


思うから」


「そうだな」





「今は確かに辛いだろうけど


Ruiは色々と変わったわ」


「そうなんだよな、変わった


俺が言うのもなんだけど、人間らしくなった


それはMikiさんのおかげだな 


いつだったかRuiがクラスメイトに


好みのタイプを聞かれて


母親そのものをタイプにあげてた時があって


今思えば


過去世も関係しているのかもしれないな」





「それはあると思う


二人は本当にいいコンビ


私とHaruのように


片割れと呼ばれる存在は


唯一無二の関係性であることは間違いない


でも、それだけがすべてではなくて


片割れではなくても


離れられない、忘れられない縁


というのも確かに存在するから」


「そうだよな」


「Haruがこんなに真剣に


誰かのことを心配するなんて」


「おかしいか?」


「ううん、素敵なことだと思うわ


しばらくはRuiから目が離せないわね」


「そうだな」


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