第43話 3次元 Dark World

3300年


5次元銀河司令センターが


今回の特別missionを特別視するように


3次元闇の世界にとっても


今回は特別なものである





司令センターの最終目的は


3次元に位置する地球を


4次元世界へと移行させること


3次元世界が完全物質・物体の世界である


のに対し


4次元世界は半分物質・物体の世界である





完全なる物質・物体である地球


すべてのことを人間という肉体を持って


体験・体感できる世界


そこに感情が伴う世界


喜怒哀楽と感情を一言で表すが


もっと複雑な感情がこの世界にはある





悩む、この感情はなかなかやっかいで


例えば幸せな悩みであれば


この悩む時間すらも幸せと感じられるけど


反対に辛い悩みであれば


この悩む時間が地獄にすら感じることもある


一度悩みのループに入ったら抜けられない


誰でも一度はこの経験があると思う





それから嫉妬や妬み


他人と共存する限りこの感情が消えて


なくなることはない


他者と自分を比較する


優劣をつける


誰よりも優れていたい


生きとし生けるすべての動物の本能





人間はその生きとし生ける動物の中でも


特別に進化した動物


誰よりも優れていたいゆえに


相手と自分を比較し


自分の方が劣っていると判断を下した場合


そこからより優れるためには


どうしたらいいか思考を張り巡らし


努力というプラスに転換する人もいれば


嫉妬という感情が芽生え


批判するというマイナスに転換する人もいる





そう、日常生活のさまざまな場所に


闇は存在しているかもしれない


闇を選択してもいい


人間はそこからその経験をもとに


学び、成長し


やがて光に転換することができるから


だからこう思えばいい


目の前に闇が来たら


光に転換するチャンスが巡ってきたと


時間はかかるかもしれないけど


光に転換した瞬間に


今よりもっとステージが上がったことを


実感できるから





4次元世界


分かりやすくいうと半透明の世界


肉体が半透明に透き通っている世界


闇をすべて光に転換したら


たどり着ける世界


言い換えれば


闇は4次元世界には上がっては来れない


闇があるうちは


3次元世界に留まることになる





「特別missionがはじまった」


「そうですね


仕掛けはもうしているんですよね」


「当たり前だ


一部の者は転生環境まで変えてある」


「そのことなんですが


確かにRitoは双子の弟がいる環境に


変更されています


それによりRitoは優秀な弟Fumiyaに対して


劣等感、嫉妬、嫌悪感などを抱いています」


「予定通りだ


その感情は


すべて我々の仕掛けが効いている証拠だ」


「なるほど」





Welcome to the darkness of the world Rito





「Reilaも無事


転生環境が変更されています」


「そうか


Reilaは両親を事故で亡くす環境に


変更をした


それだけではない


Reilaが原因で亡くなる設定にしてある」


「はい、確かにそのようになっています」





「新聞やニュースに散々報道され


世間の見せ物になる


学校や近所では世間を賑わせた


親のいない子供


それだけではない


Reilaのせいで亡くなったと報道する」


「そのことを知ったReilaは


自責の念にかられるだろう


その感情こそが


我々の仕掛けが効いている証拠だ」





Welcome to the darkness of the world Reila





「今回はいえ、今回も


ぬかりはないですね」


「何度も言ったはずだ、あとはないと


我々にとって最後のチャンスだ


光を闇に塗り変えるんだ」


「かしこまりました」


「まだ一つ仕掛けをしてある」


「仕掛けですか?」


「そうだ特別転生者のMikuだ」


「Miku....ですか?」


「そうだ


Mikuは女だが頭脳レベルが高い


磨けば磨くほど光る」


「磨けば磨くほど」





「Mikuにメールを仕掛けた」


「メールですか?」


「そうだ


そろそろ反応するはずだ


Mikuが一番知りたい話題を振ってある」


「一番知りたい話題」


「特別missionの最終目的だ」


「なるほど


ですが最終目的を知られては


まずいのでは


我々の存在や色々と分かってしまい ....」


「ただで教えるつもりはない


それと引き換えに


Mikuをこっちの世界に呼び寄せる」


「こっちの世界に」


「そうだ」





ピピピピ


ピピピピ


「さっそく連絡が来た」





あなたは誰?


何の答えを知ってるの?





「やはり食いついてきた」


「しかしどうやって交渉を


すすめていくのですか


我々が姿を現したら


例え人間の姿になったとしても


司令センターの人間にバレてしまいます


それに相当な体力を要します


限りなく人間の姿に近づくためには」


「大丈夫だ


Miku同様、あのパソコンルームに


頻繁に出入りする人間をリサーチ済だ


肉体を拝借することにする


Mikuを呼び寄せるまでの束の間」


「さすがです」







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