第39話 course Rui

中学三年の春


小学校は六年間だったから


時間の流れがゆっくりに感じたし


ずっと小学生、まだ小学生って


感じがしていたけど


中学の三年間はあっという間


もう中学生活が終わってしまう





「Rui、お母さんに遠慮しないで


好きな高校にしなさいね」


「まだ決まってない」


「そろそろ決めないと


あんた塾に行かなくてほんとにいいの?


お母さんに遠慮しな....」


「違うから


塾に行かなくても大丈夫だから」


「まぁ


あなたの成績なら選択肢たくさんあるって


先生も言ってたしね」





将来の夢が全くないから


高校を選べと言われてもピンとこない





ゴホッゴホッ


「ずっと咳してるけど大丈夫か?」


「そうなのよー


風邪は治ったのに咳が治まらないのよ」


ゴホッゴホッ


「病院行ったら?」


「行ったわよ


でもなかなかよくならないの


やっぱり年かしらー」


「いや、年は年だけど」


「ひどい、年だなんて」


えっ、先に言ったのはそっちだけど





「病院変えた方がいいと思う」


「うーん


どこ行っても同じでしょ


じゃあお母さん仕事行ってくるね」


「今日は休んだら?」


「そういうわけにもいかないわよ


そうだRui、今週末久しぶりに

 

天体観測いこ」


「いいけど


咳治ってからにした方がいいんじゃないか」





「何言ってるの


年取ってからのこういうのって


なかなか治らないのよ


お母さんは今行きたいのよ


今じゃなきゃ意味がないの」


そんな子供みたいに駄々をこねられても


「あっ、もうこんな時間


行ってくるね」


バタン





母親はもともと正社員で仕事をしていたが


時代の変化もあり


最近アルバイトに雇用契約を


変えられたらしい


ということで


仕事をかけもちするようになった





やっぱり公立だな


推薦という選択肢も存在するが


俺の場合は国語の成績が低いこと


それから遅刻の回数が多いということで


この選択肢はなかった





高校かぁ


そろそろ調べるかぁ


カチャカチャ









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