第49話 優秀社員賞は社畜の始まり
年度末にはどこの会社も各支店の営業成績や従業員のノルマ達成などに対して、優秀店や優秀社員が表彰される。
中小規模のチェーン店では表彰により従業員のやる気を出させる意味合いもある。
店長さんの推薦や本部から厳選されて表彰される建て前にはなっているが、ほぼ八百長のようもの。
中には「私を優秀社員に推薦してほしい」と自ら名乗り出る図々しい奴もいる。そんな奴は名誉よりも表彰で出される賞金目当てである。
社員のみならずパートにも優秀賞が与えられるが、ほとんどが裏事情がありそうな状態だわ。
優秀社員賞ってものは、だいたいが30代の結婚したての男性社員に贈られる。副店長や店長の肩書きを与えられ、安月給の名ばかり管理職真っ盛り。
毎日14時間労働で月の休みもほとんどなくてコキ使われている。
そんな状態を見かねた奥さんや家族が労働基準監督署に訴え出ないようにと、「あなたは我が社の宝です。あなたの日々の働きはとても我が社に貢献しており、今後も幹部候補として期待しています」と言うようなメッセージ込めて僅かな賞金を口止め料として払っているようなものだ。
優秀社員賞をもらった社員もバカだから舞い上がってしまい、社畜生活の深みにハマり出す。
また別のケースでは上司の酷しい指導や長時間労働が原因で、うつなど心療的な病になり、一年近く休職していた従業員が職場復帰したとき、変な形で辞められたり、また長期に休まれたりしないように、この一年ほとんど働いてもないのに優秀社員賞が贈られたりもする。それに対して疑問視する他の従業員の声などは無視だけど。
パート従業員にも優秀パート賞が贈られる。最低賃金でフルパートの従業員は正社員で雇うよりも格安で使えるし、退職金も出さなくていいから、ある程度の年数が過ぎてベテランなって条件のいい他の職場に移られるのを防ぐ為に贈られることがほとんどだろう。
同一労働同一賃金からはかけ離れた状況をそのパートに気づかせない暗示みたいなものだわな。
優秀社員賞や優秀パート賞は社畜の始まりなのよ!!!
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