第13話 駐車場で暴走族の集会なのよ!

夏の夜、国道沿いの郊外のお店でのこと。

車が50台くらいとめられる駐車場は、うちのお店とコンビニと携帯電話ショップと本屋さんとカフェの供用だった。

うちのお店の営業時間は22時までで、他のお店の方が遅くに閉まる。

後片付けをして、レジ清算し、退勤しようと店のシャッターに鍵をかけるのが22時半。

ババババババ!!

ウィーンウィーン!!と無茶に吹かすバイクの音がいつものようにする。

またか。

奴等に目をつけられないように こっそり帰ろう。

今夜も暴走族の集会が駐車場で行われている。

お店の付近を縄張りにしている暴走族が、駐車場に集まり、これからの暴走ルートなどを決めたり、同じ街の別の暴走族グループとの抗争の前に決起集会をしていたり。

お店のあるエリアは公営団地が林立しており、その辺の不良たちがグループをつくっているようで、この駐車場が格好のたまり場となっている。

同じエリアのコンビニもよく万引きされたり。うちのお店と同じだわ。

カフェもお昼はランチで人気だけど、暴走族が集まってくる夜はお客が嫌がってこないようだ。

カフェはお洒落な建物で三角屋根。

暴走族のメンバーが街路樹伝いに屋根に飛び乗り、登山のように登っているのを見たことがある。

うちのお店も、営業中に天井がバンバン音がすると思ったら、鉄板の平らな屋根に数人が上がり、走り回っていた。

警察に通報しても無駄。 

パトカー1台くらい来ても、奴等の方が上手だから。

早く去ってくれないかと願うばかり。

さっさとお店から離れよう!

帰ろう!!

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