第3話 こんな時期にインフルエンザで休むなんて!

小売りやサービス業は年末年始には最低限の人数で店を運営せざるを得ない。

主婦パートは長期で休んでしまうし、学生バイトも帰省などで来ない。

社員にも家族がいるので、年末年始は交代で休むが連休なんて夢。

社員の数も店長を含めてどこも2~3名に設定されておりあとはパートやバイトで構成する店が標準となり、管理面でも社員の誰かが休むと誰かが出勤しなければならない状態であり、お正月だからと店長の忖度で社員二名を一度に休ませると、店長とバイトで運営することになる。

そんな時、店の近くに住んでいるシフトに融通が利くフリーターのバイトが最大の戦力になる。

就職先がなく学生バイトの延長でそのままフリーターのバイトとして在籍するような人は、店の日々の段取りも身につき、業務をまかせられ、社員が公休の日でも社員並みに期待できる存在である。

そんなフリーターのバイトが何人か在籍している店は年末年始でもシフトが組みやすい。そういう存在がいない店はさらに窮地に陥る。

年末年始の出勤スケジュール・シフト作成で、店長とバイト一名、社員とバイト一名というパターンに・・・・

そんな時期に、期待しているバイトがインフルエンザに!!

インフルエンザになると感染の心配があり、どんな職場でも強制的に休ませる。

人員不足!

インフルエンザになったバイトの代わりを探すため、 従業員全員に声をかけることになる。

しかし、誰もいい反応はなく、声をかけられたこと自体を迷惑がる。

そりゃそうだ。

お正月にはみんな予定があるからね。

インフルエンザになったバイトを責めるわけにもいかないが、本心として「インフルエンザなんて言うなよ! 体調悪くても、ただの風邪を嘘ついて店に出てきてほしい!」などと思ってしまう。

ブラックバイトだと言われても仕方ないが、店長もブラック経営者に使われている身。ブラック企業の負の連鎖はどんどん下流へ流れてゆく。

さあ、どうする。

お正月のある日、店長だけのワンオペだ・・・

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