エゴイストの成功例への応援コメント
拝読いたしました。
「殺人病」という if の世界観が斬新で、それでも、「殺人病」当事者・関係者(家族)の想いを描くという側面が面白かったです。(「殺人病」は伊藤計劃『虐殺器官』っぽくも思われましたが。っぽいだけで意味は違いますが)
私はこれを呼んで、このようにSFな設定を持った現代風の作品では、現実味をどう持たせるかが重要だと実感しました。
例えば、「殺人病」が1992年に見つかってパンデミックになった。そして、1998年新生児よりマイクロチップが埋めこまれるようになり、感染者は年間3000人前後となる。それでも、15歳以下でなければ、殺処分。凍結実行までも3ヵ月。給付額も日ごとに500、300、100万円と減額される。等々SF設定が散りばめられています。
ですが、「マイクロチップや殺処分、給付額の急激な減額といった、現実の倫理観では到底認められないことが、この世界観だとなぜ認められているのか」「年間3000人が少ないという評価にもかかわらず、凍結実行に3ヵ月もかかるのか」「治療法が確立されていない?のに、なぜパンデミックがおさまったのか」に論理的説明があまりなされていません。(それが短編ならではであるとも言えます。)
このあたりのSF設定が、さらに説得力を増していくと、当事者たちの切迫感がリアルになってくるのではないかと思われました。
付記ですが、ラストパートあたりが、テレビの前だったり役所?だったり時空間がとびとびで、状況や会話の流れが掴みにくいと感じられました。
巧くんは必要だったかなあとも個人的には思います。
大変長くなってしまいましたが、設定・世界観、そこで描こうとする人間は非常に興味深かったです。
今後とも応援しております。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
「マイクロチップや殺処分、給付額の急激な減額といった、現実の倫理観では到底認められないことが、この世界観だとなぜ認められているのか」
「年間3000人が少ないという評価にもかかわらず、凍結実行に3ヵ月もかかるのか」
「治療法が確立されていない?のに、なぜパンデミックがおさまったのか」
上記三点にはそれぞれ理由がありますが、一万文字以内というコンテスト条件のに全て削られてしまいました!
当初は三万字予定だったのです!
残念!
下記は質問への答えとなります!
現実の倫理観では到底認められないことが、この世界観だとなぜ認められているのか?
→日本に実在する死刑に近いです。殺人病感染者は殺人を犯す可能性がある者ではなく、殺人を犯し先導する者とされ、複数人殺人者と同様の扱いをされています。
世界の民間団体からは殺処分処置を非難されていますが、各国の代表は自国にまでその病気が広まったらどうしようもないので総じて口を噤んでいる状態となります。
年間3000人が少ないという評価にもかかわらず、凍結実行に3ヵ月もかかるのか?
→凍結実行可能までは一ヶ月、猶予が三ヶ月なので認定書発行からは最長四ヶ月猶予があります。これは観戦容疑者が殺人を犯す可能性を踏まえた上での人道的措置として与えられた期間となります。
加えて給付金も昔はもっと低い額であり、感染者数が年々減るのと比例して高額になっていってますね。これは『猶予はあげるけど被害が出て国が責任を問われる前に金欲しさにさっさと出頭して』という国の思惑があります。
治療法が確立されていない?のに、なぜパンデミックがおさまったのか?
→倫理観の無視とも言える強硬策を貫いたからです。殺人病は正に人類の自滅プログラムとも言える病であり、銃の無い日本で発症したのは幸運だったと言えます。島根県の方、ごめんなさい。
巧くんは必要だったかなあ?
→実は唯一アイ君の企みを知って止めようと苦しむ立ち回りをするはずでしたが見事削られました。
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兎鼡槻様
拝読させていただきました。
ちょっとよくわからなかったのですが、殺人病というのは遺伝子病なのでしょうか?
それとも外部から《感染した》感染病だったのでしょうか?
前者で会った場合は、細胞のコピーミスなどによる不全症。
後者で会った場合は、細菌などが体内侵入しておこる感染症。
……というように分けられると思います。
ご参考頂ければ幸いです。
物語に関しましては、大切な家族を思う少年の優しさがとてもよかったです。
自分が殺人病であることを偽装して、育ててくれた養父母や義妹に金銭という形で恩返ししたいという気持ちがにじみ出ていました。
これからも、一心精進して頑張ってください。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
殺人病はあくまで空想の病気ですが、実在する病気に例えるなら狂犬病の様な物です。
つまり感染病ですね。
症状がとても分かりづらく、感染者と思われる男性から言語化されやっと《殺人的衝動に違和感を感じなくなる》という症例が発覚した病です。
研究では人畜共通感染症と判明していますが、全国の動物は8割が感染しているというデータもあり他種族への感染率が低いという特徴が見て取れるのですよね。
それにより政府は選択として根本を絶たずワクチンや発症者の迅速な把握という選択をしたのでした。
主人公の感染経路は何処なんでしょうか…?
主人公のやり方は賛否両論でして、サブタイにある通り私も間違いのない選択としては書いておりません。
彼の企みに気付き、支えてあげられる人がいたらもう少し違った結末だったかもしれませんね。
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あらすじでホラーかと思ってハラハラ読んでいたら、まさかのヒューマンドラマな感じで、ビックリしました。
最初はオチが良くわからなくて、二回読み返して、ああこういうことかぁー!と思いました。タイトルも含めて、凄いです!
ただ、すみません、ラストの会話の意味がよく分かりませんでした…
作者からの返信
ありがとうございます!
最後の会話ですが、これは数ある待ち人認定の1ケースに過ぎないので最後の最後に俯瞰視点で終わるという演出にしております。
会話の内容はアイ君達には関係ない部外者の勝手な評に過ぎないんですけど、要約すると下記の通りです。
『誰が悪いんだろうね。』
『悪い奴なんているかいないかなんて関係ない。当人達の哀しみがなくなればいいんだ。』
『仕事しろ。』
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読みました。
読んでまず文章力がずばぬけてるなと思いました。
(自分の文章の稚拙さを感じました(´;ω;`)
内容については10000字以内に収まっているのに、濃くて色んな思いを感じます。
給付金のとこなどは非常にリアルで自分ならどうするかなと考えさせられました。
僕なら中途半端になってしまうし、主人公が主人公してるなと感じました。
気になった点はたまに誰が喋ってるかわからない部分があったところです。
雰囲気も好みだったので応援してます!
長文失礼しました。
作者からの返信
初のお褒めの言葉嬉しいです!
この作品は色んな部分を皮肉っている作品であり、纏めて言えば凄く胸くそ悪い話となっています。
人によって主人公の印象も大きく変わるかと思いますね。
社会のままならなさ、大人の情けなさ、子供の危うさを感じて頂けていたら嬉しいです。
応援ありがとうございます!
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『殺人病』なる言葉の強い衝撃と、主人公の放った捨て身のトリックがギリギリの緊張感を産み出していますね。官公庁としても、できればこんな病気にはかかわりたくないので機械的な流れ作業ですませたというところでしょうか。主人公の幼い純真さがとても切ないです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
ほぼ裏事情は仰る通りな感じです。
主人公の幼さに苛つくか憐れむか読者によって大きく異なる作品になっていると思います。
人は人に過ぎず、少年もまた少年に過ぎないという現実が少しでも伝わったなら嬉しいです。