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2019年5月31日 00:36
約半年にわたる執筆、お疲れ様でした。彼岸花様は総じて自然のありのままの姿――無慈悲なまでの寛容さを描くことが本当に巧みで、脱帽です。デボラの生態については本当に興味深い。近く土地状の物質循環。なるほど、と読んでいて膝を打ちました。かつて、アラスカで熊を大規模に駆除する提案があったと聞きます。理由は鮭。人間にとって鮭は立派な資源なので、熊が鮭を食い尽くしてしまうと経済的損失を被るのではないかと危惧したそうな。しかし、研究の結果、熊の食べ残しが森の土壌を豊かにすると判明し、取り止めたそうです。人間の都合で熊を駆除しては、アラスカの大地は死地と化していたのかもしれません。英断ですね。同様に、デボラもまた物質循環の役目を担っている。無意味な生き物などなく、すべてはエネルギーの流転による現象に過ぎない。けれど、それを忘れてしまうのが人間です。それでも再び人は集い、文明を築き、地上に満ちるでしょう。されど、それもまた「それだけのこと」。繰り返すのもまた自然界のメカニズム。かくもエコ・システムというものは偉大で恐ろしい存在なのだなぁと改めて痛感します。今回も楽しく読ませていただきました。次回作も期待しています。
作者からの返信
感想ありがとうございます。残忍で理不尽で、綺麗も汚いもなく、何もかも剥き出しにしている自然が好きなんです。その好きなものを表現出来ているのなら、これ以上ない励みとなります。アラスカのクマの話は初めて聞きましたが、それは確かに英断だと思います。どうにも人間は「身を守るため」なら何をしても許されると思ってる気がするのですよね。自然は自己犠牲なんて強いませんが、免罪符だって渡してないのに。この物語では最後にレリーフ作りを決意しましたが、七万年後の人類はちゃんと思い出せますかねぇ。多分また忘れると思いますが(ネタバレ)デボラはそれを悪いとは言わないでしょう。どうせ彼等も忘れていて、七万年前と同じように接するだけでしょうから。次回作は軽めのものを考えています。内容が軽いとは限りませんが(ぇ)ちょっと実験的なところもあるので、尚のことご期待に添えるものになるかは分かりませんが、楽しんでもらえるよう精いっぱい書こうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
2019年5月31日 00:26
完結おめでとうございます。自然という、大いなる、そして、おそるべきもの。それを体現するような、雄大な小説でした。楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。
感想ありがとうございます。私の中ではデボラは怪獣である前に一個の生命で、尚且つ地球の一部というつもりで書いていました。本作のデボラから自然の雄大さや恐ろしさなどを感じてもらえたなら、今後の自信になります。最後まで楽しんでもらえて、私としても嬉しい限りです。ありがとうございました。
約半年にわたる執筆、お疲れ様でした。
彼岸花様は総じて自然のありのままの姿――無慈悲なまでの寛容さを描くことが本当に巧みで、脱帽です。
デボラの生態については本当に興味深い。近く土地状の物質循環。なるほど、と読んでいて膝を打ちました。
かつて、アラスカで熊を大規模に駆除する提案があったと聞きます。理由は鮭。人間にとって鮭は立派な資源なので、熊が鮭を食い尽くしてしまうと経済的損失を被るのではないかと危惧したそうな。
しかし、研究の結果、熊の食べ残しが森の土壌を豊かにすると判明し、取り止めたそうです。人間の都合で熊を駆除しては、アラスカの大地は死地と化していたのかもしれません。英断ですね。
同様に、デボラもまた物質循環の役目を担っている。
無意味な生き物などなく、すべてはエネルギーの流転による現象に過ぎない。けれど、それを忘れてしまうのが人間です。
それでも再び人は集い、文明を築き、地上に満ちるでしょう。
されど、それもまた「それだけのこと」。繰り返すのもまた自然界のメカニズム。かくもエコ・システムというものは偉大で恐ろしい存在なのだなぁと改めて痛感します。
今回も楽しく読ませていただきました。
次回作も期待しています。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
残忍で理不尽で、綺麗も汚いもなく、何もかも剥き出しにしている自然が好きなんです。その好きなものを表現出来ているのなら、これ以上ない励みとなります。
アラスカのクマの話は初めて聞きましたが、それは確かに英断だと思います。どうにも人間は「身を守るため」なら何をしても許されると思ってる気がするのですよね。自然は自己犠牲なんて強いませんが、免罪符だって渡してないのに。
この物語では最後にレリーフ作りを決意しましたが、七万年後の人類はちゃんと思い出せますかねぇ。多分また忘れると思いますが(ネタバレ)
デボラはそれを悪いとは言わないでしょう。どうせ彼等も忘れていて、七万年前と同じように接するだけでしょうから。
次回作は軽めのものを考えています。内容が軽いとは限りませんが(ぇ)
ちょっと実験的なところもあるので、尚のことご期待に添えるものになるかは分かりませんが、楽しんでもらえるよう精いっぱい書こうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。