第4話・・・ストレスは振動から
電車ではマナーモードにしてほしい。
ピコピコと音を出してゲームをしているやつらに殺気を覚えてしまうくらい彼はマナーにはうるさい。
殺さないまでも、相手の携帯を取り上げて、マナーモードにセッティングしている妄想を繰り返してしまう。
ある時、映画館で一人で映画を観ていたら「ブー、ブー」とかなりの音が鳴った。音より振動のほうが伝わってきて不愉快に思った。誰だと思ったら自分の携帯だった。
彼はストレスがたまっていた。
昔はこんなにストレスを溜めなかったのに……。
マナーモードにセッティングした時から、ブルブルという振動がストレスをためていく原動力になっているかのようだ。
彼は自覚していた。
どれだけ自分がマナーモードの携帯電話に人生自体をコントロールされているかを……。
夜も眠れない日々が続いていった。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます