あわいろ

久しぶりだね

そんな言葉を交わしても、変わらない会話が心地いい

長い時間が経っても、景色は色づいているのかな


不思議だな

君と並んで歩いたら、新鮮な感覚に陥った

とくとく心臓は鼓動するけど、変わらないものもあるんだよ


楽しいや

色々なことを話して、大きな声で笑い合う

お互い垢抜けてしまったけれど、笑顔はいつだっておんなじだ


いい感じなんだ

君は自慢げに告げて、惚気話を繰り出した

化粧が嫌いと言った君の前に、薄化粧な私がいるのにね


お腹いっぱいなの

女子はすぐそう言うと、君は不満そうに言った

君の笑顔のせいとか小説みたいなことは言えないけれど、もしかしたらなんて


素敵よね

なんの心かわからなくても、淡い幸福が落ちる

昔も今も未来も知らないけれど、これはこれでいいのだろうな


ありがとう

手を振ると、君もぷらぷら振り返した

遠のく車と私の背は、夕焼け色に煌いたかしら

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