暴環 (xiii)

 まず、レジにゆき、店員さんにピザまんがほしい旨を伝え、数量は――いくつでもいいだろう、たとえばふたつと希望し――えっ、ピザまんはひとつしかない? ならあんまんでいい。

 ピザまんとあんまんをひとつずつ注文し――あ、辛子はいりません――と不要なものはきっぱり断り、


(私は辛いものが苦手だ。ちなみに先ほどカレーまんが好きだと述べたが、コンビニのカレーまんは基本的に辛くはない。

 が、ファミリーマート、あそこのカレーまんには驚かされた。

「カレー味 = 辛い」などというあまりに貧困な発想力にはいうべき言葉を見つけられず、ただただあきれ、餓死寸前の胃袋の強い要求に折れる形で3買ってしまったため(そう、すべてカレーまんである。そのときはとにかくカレーまんの気分だったのだ)、処分にたいへん困った(誤解のないよういっておくが、私も、変態LGBT漫画購入系女子と違って人目は普通に気にするので、普段は1個のみ。2個買うときはかなり周囲の視線を意識し、家族のぶんも買っているアピールのオーラを発している。3個のときなど、女子であることをかなぐり捨て、捨て身の捨て鉢だった)。

 私は食べものは粗末にしない主義なので捨てるわけにもいかず、両親に勧めるも、一家そろって辛いものが苦手なため当然に処分したべてもらえず、あたりまえだが冷めたカレーまんを翌日、学校に持っていったところで誰かが食べてくれるはずもなく、家で1泣く泣く完食するはめになった。

 尋常でない辛さ(一般人にはほどよい辛さかもしれないが、中辛でさえ厳しい私の舌をあなどってもらっては困る)のカレーまんを3個もだ。

 以来、ファミリーマートでは絶対にカレーまんを買わないし、公式サイト上で少し長文の抗議文書(5千字弱)を送り(なぜ字数がわかるのかというと、お問い合わせフォームが1回で1千字しか受けつけなかったからだ。それについてもついでに抗議した)、私のフォロワーさんなどに『【緊急】ファミリーマートのカレーまんは激辛【拡散希望】』と注意を呼びかけ、個人的には3カ月間の不買運動ボイコットを敢行することでささやかな「NO!」を示した(苦行ともいえる3カ月だった。なぜならファミリーマートの。まったく、はた迷惑だ))


 そして――ええと、あれ? なんだっけ、カレーまんのくだりが少し長くなって、なにを言っていたかわからなくなった――ああ、そうだ、男女交際の手順をコンビニでの中華まん購入にたとえていたんだった。


 えーと、辛子はいらないので不要の旨を伝え、ふたつで税込み250円を支払い、レジ袋に入ったピザまんを――ああ、ピザまんとあんまんひとつずつという設定だっけ――2種類の中華まんとレシートを受け取り、

(レシートを受け取るのは当然である。世の中には受け取りを拒否するというよくわからない人たちもいるが、コンビニでの買いものひとつでもりっぱな商取引であり、レシートは支払いの事実を証明し受領書である)

(あと、忘れるところだったが、2個買うときの「ひとつは自分用、もうひとつは家族用」とのアピールはもちろんする)

 店を出たのち、包みを開け、おもむろに食す。甘いものはデザートの位置づけであり、あとで食べるのは当然であろう。(あんまんのあんは少し冷まさないと熱すぎて舌をやけどするという理由もある)



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作中にあることはネタでありフィクションなので、本気に受け取らないでください。

あ、でも、ファミリーマートのカレーまんが辛いらしいという話題を聞きつけて実際に試してはいます。ほんとに辛めでしたがおいしかったです(宣伝)。

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