看破 (xxxi)
『何か根本的に別のやり方が必要だ 例えに出すのもシャクだけど数学のうまい解き方みたいな』
『適切な解法を当てはめれば素早く解けるけど、最適でない方法だと遠回りになったり、最悪解けなかったりするような?』
『そう それ ますてぃーはそういうのをどっかに仕込んでいる』
『断言するんだ』
『あいつのやりそうな事だよ』
『どうやってその最適な解法を見つければいい?』
『三人寄れば文殊の知恵』
『皆と相談するって事?』
『そう 三郎丸さんはもっとみんなを頼るべきじゃね?指示出しする以外にも』
『うん・・・そうね』
『あんま言いたくねえけどちょいマズイ方法だと思うし…』
環はどきりとする。まさか午角くん……。
続いて表示されるメッセージで疑念が確信に変わる。
『このゲームってさ 問題解くときに間違えるとランキング下がるよな』
ふっと環は力を見た。気の進まなそうな顔で彼は環を見ている。お互い気まずさから視線をそらした。
『うまかど君、もしかして気が付いてた・・・?』
『まあ』『何で誰もその事疑問に思わねえのか不思議なんだけど』『気付いてるヤツは空気読んで黙ってんのかなって』
環は、少し赤くなった顔を力やほかの級友に見られまいと、教室に背を向け黒板に面した。
――バレていた。
ほかの生徒に黙って秘かに弄していた策が見透かされていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます