突然の再会
勝利だギューちゃん
第1話
ある日、街で女の子に声をかけられた。
「やあ、久しぶりだね」
「えーと、どちらさまでした?」
眼の前の女の子は、落胆のため息をつく。
「そっか・・・覚えてないか・・・」
「ええ、すいません」
「仕方ないね、昔の事だもん」
僕は、彼女に全く覚えがない。
逆に、彼女は僕を覚えている。
逆ナンか?
いや、それはない。
僕は、イケメンではないし、今時こんなに古い手を使う子はいないだろう。
どっきりか?
それもないな・・・
もしやれば、犯罪ものだ。
となると、彼女とはどこかで、会っている。
誰なんだ?
訊いてみるか?
いや、止めておこう。
【自分で、思い出して】
そういう表情をしている。
「思い出せない?」
「・・・ええ・・・」
正直に伝えた。
「じゃあ、ヒントね」
「はい」
「神社、巫女、怪我」
僕は、しばらく考えて・・・
「あっ」
「思い出してくれた?」
「あの時の、巫女さん?私服なのでわからなかったです」
「髪も伸びたしね」
巫女さんは笑っていた。
子供の頃、神社で遊んでいた時に怪我をした。
その時に、この巫女さんに手当てをしてもらった。
ただ、少しだけ叱られたけど・・・
後日、挨拶に行った時には、何事もなかったかのように、お話をしてくれた。
「あの時は、ありがとうございました」
「どうしたしまして」
改めて挨拶をした。
確か最後に、「お嫁さんにしてあげる」と、ませた事を言ったような・・・
彼女は、「じゃあ、もらってね」と、笑ってた。
それっきり、会っていなかったので、記憶からこぼれ落ちていた。
もう、9年前だ・・・
当時6歳、今は15歳になった。
「すいません。忘れてしまって・・・」
「仕方ないよ、まだ君は子供だったもん」
「あのう、失礼ですが、今おいくなんですか?」
女性に訊くのは失礼なのは、わかっているが、どうしても知りたかった。
なぜなら、とても若く、女子高生でも通る容姿だ。
「私、22よ」
「ちょっと待って下さい。じゃああの時は?」
「うん、13歳。中学生だったよ」
「働けるんですか?」
「実家だもん」
当時は大人っぽく、20歳くらいに見えたが、今は女子高生でも通る。
女って怖い。
「でも、よく僕だとわかりましたね」
「そりゃ、わかるよ」
「どうしてですか?」
【君は初めて、私にプロポーズしてくれた人だから】
突然の再会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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