ルーシーは、侯爵家のご令嬢。とはいえ貧乏貴族で、領地も豊かではありません。そんな領地を立て直すためにやって来たのは、ルーシーよりも11歳年上の青年、ステファンでした。
まだ少女であるルーシーにとって、年上のステファンはとても素敵に映ります。いえ、例え年上でなくても、優しくて頼れる彼は、十分に魅力的。ルーシーが憧れを抱くようになったも当然かもしれません。
ですかステファンから見るとルーシーはまだ子供。話や接し方に、どうしても子供扱いが見えてしまいます。
子供の部分の残る少女じゃなくて、一人の女性として見てもらいたい。そう思うルーシーですが、11歳離れた歳の差を埋める事はできません。
ですが差を埋める事はできなくても、成長する事で彼に近い目線を持つことならできます。特に女の子は恋をすると綺麗になるし、一気に大人に変わることだってできるのです。
歳の差ものの恋愛が好きな方、この恋がどうやって成就するのか、ぜひ見届けてあげてください。
ここは数年、不作続続きの田舎町。
近所の子供達の凧を取るために、木に登っているのは、貧乏侯爵令嬢のルーシー。
登ったは良いけど降りられずに困っていると、そこに通りかかったのは若い男。彼は領地復興のために雇われた青年、ステファンでした。
少々風変わりな出会いをした二人ですけど、年上で頼れるステファンに、徐々に好意を抱いているルーシー。生憎彼には婚約がいるのですけど、それで一度灯った恋の炎は簡単にはおさまりません。
歳の差のある恋ですけど、果たして実らせることはできるのでしょうか?
健気で一途なルーシーに、ドキドキしました。恋する女の子が好きと言う方は、必見です。
この物語は同作者様の『王国物語シリーズ』のスピンオフ作品ですけど、毎度の事ながら地続きでこれほど話が広げられる作者様の手腕には感服いたします。
本作も他の『王国物語シリーズ』も、どれから読んでも物語として成立しています。
興味のある方は、是非一度目を通してみてください。