ヒロイン

 とあるひとを観察していて、ヒロインについての面白い考察が出来た。その人はいわゆる妹萌えな人なのだが、現実の世界でもとても妹さんと仲がいいのだ。

 そんな人が妹萌えの小説を書いたものだから、読んでしまった家族が驚いて、お見合いをさせられそうになったという。

 私も十代の美少年が大好きという性癖がある。そしてたぶん、この美少年大好き症候群は10代の前半まで可愛かった弟への愛情から来ているものらしい。

 どうもヒロイン・ヒーローというものには、書く人の中で一番親しい異性が投影されやすいらしい。それもその異性が一番自分にとって好ましかった時期が投影されるから質が悪い。

 いわゆる人の中にあるアニマ(理想的な女性像)、アニムス(理想的な男性像)はその人が一番好意を寄せている異性の影響を受けるらしい。それが作品に投影されるのだ。

 ユングは人の発達段階に応じて、その人の中のアニマやアニムスは一定の変化を見せると言っているが、それとは違うアニマ・アニムス像のあり方を私は観察したことになる。

 別にアニマ・アニムスが兄弟だからといって、その人たちに近親相姦の願望があるとか言っている訳ではない。その人に恋をしたいほど好意を寄せる相手がいない場合、その人の中のアニマ・アニムスは一番親しい異性の姿をとる可能性が高いということだ。それは母親でもあるし、異性の親友でもあるし、ビジネス上のパートナーであるかもしれない。

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