履歴書
副業で呪い代行業をしていたら、私を神のように崇める人間が増えた。同じアパートを2部屋借りた共同生活が始まり、行動を共にする内に食事や服装の好みが皆似てきた。不気味だったが、狂信者を手放すのも怖くて黙っていた。完全に宗教だった。
この街で私が呪った相手の事は覚えている。
義足の女は交通事故で亡くなった。赤い靴が鼻についた。
飛び降り自殺した男は車椅子の家族を捨てた因果。
男子高校生。無断欠席したため担任が家に行くと心不全で突然死していた。父は出張、母は法事で遠方にいた、その一晩の間に死んだ。彼が公園の猫に悪戯していたのを見た。
マッサージ師の女。恋人の暴力で入院している。仕事中私に口答えするから。
他にも沢山いる。
病院は不幸を背負った人間が多いから餌になりそうな人間はすぐに見つかる。逆に触れてはいけない人間もすぐわかる。私とは逆の意味で幽霊に愛される人間もいる。
希に呪っても不幸にならない者がいる。そんな防御力が強い人間に放った幽霊が呪い返しとして私の元に戻ってくる。
1人、失踪している人間がいる。
アパートの隣人で、時々病院に来ていた男。我々の生活音をうるさいと大家に苦情を入れていた男。
彼には少し強い物を放ったからもし戻ってくれば
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