お茶の話7 ~煎茶道から遠く離れて~
すまない、急須の話は次になった。
文学フリマ札幌で札幌まで遠征してきました。
そこで
札幌で「お茶の玉翠園」さんにおじゃましてきました~
朝ご飯に「雪もみじ」を食べたかったのです。
「雪もみじ」はエゾジカの佃煮を載せたほうじ茶仕立てのお茶漬け。目の前で淹れ立てのほうじ茶を、佃煮をよけてあつあつご飯にかけて出来上がり。まず、佃煮をちょいといただきます。
……おいしいです。おいしいけど、佃煮じゃないエゾジカを食べたことないので、ホロホロ崩れる柔らかさがどれくらいしっかり炊かれたものかわからないんだよね~!でもジビエは基本肉固めだろうから、すごく食べやすくなってるんだと思うの。
それからご飯を。まあここはほうじ茶のお茶漬けなのでさっぱり。普通です。
で、かき混ぜて、もうひとくち。
おお、エゾジカの旨味が温かいお茶に広がっていきなり華やか!
「食品添加物は敵じゃないけど、江戸時代の作り方を継承したいので自分は原料100gが煮詰めて30gになってもこの作り方を続けてる」
「祖父が植林した山は、木が増えた代わりにエゾジカも増えてしまった。ただ、増えたエゾジカには罪はない。生き物とはそういうもの。
ただし、植林した木の幹の皮を食べる彼らは森の存続を考えないので、冬の定期的な移動を促すために鉄砲担いで山に入る。1発の銃声で餌場を変えるから、それで仕留めた1頭はご褒美としてもらってくる」
という話。
寒いと彼ら(エゾジカ)も、移動しないで同じどころでごはんにしてしまい、木の皮を頭の高さでくるーっと1周食べちゃうんだそうです。そうすると、1部だけなら齧られても平気な木も、1周めくられると枯れてしまうのだそうな。
森の持続性とエゾジカの継続性を考えた結果の猟師業。お茶のためには綺麗な水。水のためには森。そのための植林に力を費やした祖父の教え。
「100年を考えて行動できる人なら大歓迎ですから、私と一緒に鉄砲担ぎましょう。ただ撃ちたいだけならいりませんけどね(ニコリ)」
うふふ。
そんな店主さんのお話を伺いながら、「雪もみじ」と一緒に頂いたのが「水の守人」冷茶。1煎目は小さな急須に熱めのお湯で、しかもしっかり抽出したもの。これを氷を入れた豆湯呑みにトロリと注いでゆっくり回す。しっかり冷えたらそのまま出されました。湯呑みがお猪口サイズなのに氷がふたつも入ってるのでごく少量です。これが凝縮された濃厚な苦味!朝のお茶、目覚めの1杯ですよ。
そのまま2煎目に。こちらは打って変わって柔らかなまろやかさ。えーっ、1煎目であれだけ苦く出したら苦味からは逃げられないと思うんですけど!どうなってるの!?
残念ながら別のお客様が来てしまい、3煎目がいただけないままになってしまったのだけど、朝から持ち運び用のお茶を貰いに(買いに)来る海外の方だったので、ここは譲らねば。そう、玉翠園さん、水筒持っていくとその場でお茶を淹れてもらえるんです(有料)!よくご存知ですね!飲んでって飲んでって日本茶!
ええ~、それ静岡の一茶でもやってるやつじゃん、会社の近所でもやって欲しい~!!!
(知ってた)(だが私は荷物を減らしたいばっかりにどちらの旅にも水筒を持っていかなかった女…)
なおこの「水の守人」、もとの葉は八女と宇治らしいです。(店内の札に書かれてあった)
その荒茶(揉みの前段階の葉ですね)を、豊平峡(観光としては温泉とカレーが有名らしい)にある国有だか道有だかの(記憶が定かでなくなってきた)天然洞窟に保管して熟成するのだそうです(それを聞いた瞬間の感想「太いパイプをお持ちでらっしゃる」)。
熟成によって荒茶の渋みがとれてまろやかになっていくのだそうですよ。リーフで買うかティーパッグで買うか悩んで日和ってティーパッグにしました!だって熟成茶初めてなんだもの!淹れるのがんばろ…
皆さんご存知かどうか、煎茶、チャノキは北海道では育ちません。
なのでご当地お茶としてはとむぎ茶を買ってみました。きっと香ばしい。玄米も売ってたのだけどこないだ銀座でも見たなと思ってそちらは見送ったのですが、よく考えたら北海道産のお米なんだからご当地お茶ですよ、買えば良かった~バカバカ。
はとむぎ(と玄米)、そのままお湯で出してもよし、牛乳かけて食べるもよしなので、まずは牛乳で食べようと思います。
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