第281話  軍の協力





イングマルは色々な戦闘場面を想像して装備を集めていた。



一方のジョン達は昼前には海軍本部に行き応接室で待っていた。




応接室に案内した者に面会する相手の事を聞いて相手が提督である事をこの時知った。







程なく提督と副官ら数名がやってきて「ごくろうだな。」と言って皆を座らせた。



ジョン達は「この度はお骨折りいただきどうもありがとうございます。」とお辞儀して挨拶した。





提督は「よい。早速だがお前たちの望みはギルドか商会に入り船を保護してほしいのだな?」とジョン達に聞いた。




ジョンは「ハイ、そうです。船団に入れれば海賊たちもまず手出し出来ないと思います。」と言った。




提督は少し思案して「だがな・・・会議でも言っていた通り、この港町の連中は海賊どもの報復を恐れて君らをかくまおうという商会もギルドもどこもない。

我ら軍が君たちにどこそこのギルドへ行け、とあっせんする事は出来ない。





だが君たちの移動の護衛ならできる。


港外の海賊の包囲網を抜ける手助けならしようじゃないか。」と言った。



さらに「アントウェルペンならヨーロッパ1大きな港町だ。軍艦も武装商船もたくさんいるからここよりは安全なはずだぞ。」と言った。




ジョン達は「おねがいします!包囲網さえ突破出来れば後は何とか出来ますから!」と懇願した。



提督は「よし!いつでも出港出来るように準備しておくんだ。日程はこちらが指示する。」と言った。




ジョン達は「ありがとうございます!ありがとうございます!」とペコペコしてお礼を言ってから海軍本部を後にした。








ジョン達が出ていった後提督は副官や参謀達を集めて「よーし、エサの用意は出来た!彼らを使って海賊どもを一網打尽にするのだ!準備をいそげ!」と檄を飛ばした。





海軍の立てた作戦は海賊たちがエサに食いついている所を包囲し殲滅するというもので艦艇総数50隻、動員兵力3600名。


提督もこんな大戦力での戦いは初めてであった。



すでに動員は完了しておりいつでも出撃できる状態で後は出撃命令を待つだけであった。







ジョン達は大喜びで船に戻って来た。



イングマルも戻っており新しい物資を船に積み込んでいるところであった。






ジョンは「おい!やったぞ!ギルド入りは無理だったが包囲網を抜けるまで護衛してもらえる事になったぞ!」と叫んだ。




イングマルはそれを聞いてちょっと意外だったので「へー?!軍艦が護衛してくれるの?」と聞いた。




ジョンは「ああそうだ!包囲網を抜けるまで護衛してもらえる。提督にもアントウェルペン行きを進められたぞ。」と言った。





イングマルは「へーすごいねー。それでいつ出港するって?」と聞いた。



ジョンは「向こうから言ってくるそうだ。いつでも出港できるようにしておけと言っていた。さー!忙しくなるぜ!」と言って船に飛び乗って準備をしていた。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る