第280話 話合い
ジョン達5人は揃ってもう一度行政庁舎に向かったが会議は終わり解散していてえらいさんには会うことが出来なかった。
だれかいないか探していると丁度そこに馬車に乗り込もうとしている海軍の提督がいた。
ジョン達はその人が提督とは知らなかったが会議場にいた人物と覚えていたのでそばに駆け寄って「す、すまねぇ!だんな!もう一度話を聞いてくれ!」と叫んだ。
副官が慌てて制止して「無礼者!何をする?!」と叫んでジョンを取り押さえた。
提督はジョン達を見て「お前か、あー良い良い、離してやれ。」と副官に言った。
ジョンは「頼む!もう一度どっかの船団に加えてくれるように取りなしてくれよ。この通りだ!」と言っておがむようにしていた。
提督は「すでに会議は終わった。商会やギルドの事はわしの管轄外だ。どうすることも出来ん。商工会に行って頼んでみる事だな。」と言ってそのまま馬車に乗って行こうとした。
しかし少し行って止まり、思い出したように馬車の窓から顔を出して「明日の午後に海軍本部に来い、もう一度話を聞いてやる。お前名は何と言ったか?」といった。
ジョンは「ジョン・アローです。」と喜んで答えた。
提督は「ジョン・アローか?門番に伝えておく。明日の午後一番で来い。」と言った。
ジョン達は喜んで「はいッ!ありがとうございます!ありがとうございます!」と何度もお礼を言ってペコペコしていた。
ジョン達は嬉々として戻って来るとイングマルに「おい!やったぞ!話を聞いてくれるそうだ。言った通りだろ?!やっぱりちゃんと逢ってコミュニケーションとって話し合えば分かり合えるんだ!」と喜んで話した。
イングマルは「へー?誰が言ったの?」と聞いた。
ジョンは「そう言えば名前を知らなかったな?ほら、会議のときいたろ?軍の偉いさんだ。明日の午後に海軍本部で話を聞いてくれるそうだ。」と言った。
イングマルは軍の関係者と聞いて眉をひそめ「それって本当に大丈夫なの?ノコノコ出掛けていって一網打尽で捕まえて船といっしょに海賊に引き渡すんじゃないの?」と言った。
ジョンは笑って「お前?どんだけ疑り深いんだ?!そんな事あるわけないだろ?捕まえる気ならとっくに捕まえてるさ。何ならお前は待っていろよ?俺たちがうまく話をまとめて来るからよ。」と言い上機嫌であった。
翌日はジョン達は朝早くから少しでも印象良く見せようときれいな服を来て準備をしていた。
イングマルも馬車を出して足りない物資を購入しに町へ出掛けた。
町では矢文の内容が知れ渡りその話題で持ちきりであった。
ジョン達の話をほとんど当てにしていない悲観主義のイングマルは戦闘は避けられないと判断している。
だが地上戦とは違い海上戦闘はほとんど経験がなく、戦いのノウハウがわかっていない。
戦いの想像をして色んな場面を思い浮かべて準備した。
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