第223話 新展開
イングマルはしばらく思案して「親方にも相談しないと・・・」というと事務所にいって親方に相談した。
「まあ、あれはお前の船だし好きにしたらいいさ。」と親方は行った。
イングマルはしばらく思案して「あれは僕の趣味で改造してあるし巾が狭くなっているのでスピードは出るけど積み荷の量は少なくなってるよ。それでもいいの?」とイングマルは船乗りに聞いた。
3人の船乗りは「もちろんだ。」といった。
イングマルは「まあ中古船だし船の代金は金貨50枚。それでいいなら売るよ。どう?」と聞いた。
3人は「よし!わかった!とりあえず今ある金貨20枚を前払いしておく。残りは待ってくれ!」と言ってすぐに金貨を取りに行こうとしたが、イングマルは「あ、お金は今はいいよ。商売を始めるにしても元手がいるでしょ。自己資金があるとないとではずいぶん商売の仕方が変わってくるからね。」
「お金は後払いでいいので商売がうまく行くようにお手並みを拝見しておくことにするよ。」と言った。
船乗りは「おおそうか!すまねェ!任せてくれ!それこそ大船に乗った気で待っていてくれ。」そう言うとイングマルに抱きついて握手した。
子供たちはちょっと残念そうにして船を眺めた。
イングマルは子供たちに「大丈夫だよ。まだ数隻分のストックがあるからまた作ればいいんだよ。」と言って早くも次の船の構想を思い描いていた。
船乗りたちは早速今の雇い主のもとに行って仕事を辞めると数時間後にはもう船にのって試運転していた。
彼らはすぐにこの船の特性をつかんで乗りこなし驚きと興奮が隠せなかった。
圧倒的なスピードと操作性、二人いれば操船できるこの船の無限の可能性を体感していた。
翌日からイングマルはまた仕事の合間に干潟に廃船を運び解体を始めた。
今度はイングマルだけではなく興味を持った子供たちも手伝うようになった。
今度の船は長さはそのまま幅を前回より50cm広くし後部甲板を二階建て二層にしてそのスペースに操舵室とキャビンを設けて快適に寝泊まり出来るようにした。
操作性は前回のままで後の時代カラックとよばれる形に似ている。
イングマルは船に夢中で長く町に行かない日が続いていた。
平穏な日々が続いていたのでみんなも警戒心が薄れていた。
だが回復したキングたちは満を持して行動開始してまた町で暴れ始めた。
しかも彼は直感的に奴は造船所の連中と関わりがあると感じていたので造船所の子らを狙ってきた。
休みの日に干潟で作業していたら怪我をした元ギャング団幹部の一人がフラフラで帰ってきた。
倒れ込むと「子供たちが人質に取られた!」と叫んだ。
町で買い物をしていた子たち8人が大勢ならず者たちに脅され人質に取られたという。
「責任者に話がある、中央広場にこい!」という。
親方は「仕方ない」と言って出かけた。
イングマルは「僕もいくよ。」と言って付いていくことにした。
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