第1240話越中守大伴宿祢家持の報へし歌と所心三首(2)

別に所心一首


暁に 名告り鳴くなる ほととぎす いやめづらしく 思ほゆるかも

                       (巻18-4084)


別に思うところを詠んだ歌一首


暁に名乗り鳴くホトトギスのように、(貴方からの御歌は)本当に貴重で懐かしく思えてなりません。


坂上郎女からの歌二首に対して、謝意を詠んだ歌。

坂上郎女の歌を、家持が一番好きなホトトギス(家持はホトトギスフェチとも言われるほど)になぞらえて詠んでいる。


家持も職務とは言え、都から遠く離れて暮らしている。

そんな時に、大好きな叔母の坂上郎女から歌を詠んで贈ってもらった。

ホームシックも、多少は楽になったと思う。

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