第1220話梅の花 咲き散る園に 我れ行かむ

梅の花 咲き散る園に 我れ行かむ 君が使を 片待ちがてら

※片待ちがてら:ひたすら待ちながら

              田辺史福麻呂(巻18-4041)



梅の花が咲き散る美しい園に行こうと思います。あのお方からのお招きの使いを、ひたすら待ちながら。


藤波の 咲きゆく見れば ほととぎす 鳴くべき時に 近づきにけり

              田辺史福麻呂(巻18-4042)


藤の花が次々に咲いていくのを見ると、ホトトギスが鳴く時期に、近づいているのですね。



明日の日の 布勢の浦みの 藤波に けだし来鳴かず 散らしてむかも

               大伴宿祢家持(巻18-4043)

明日の布勢の浦の藤の花には、おそらく、ホトトギスは飛んで来て鳴かないでしょう、そのまま散るに任せてしまうと思います。


明日から布勢の海辺の行楽に出る田辺福麻呂は、期待に気分も盛り上がっている。

ただ、大伴家持は、やや冷静。

そこまでの季節にはなっていないと、福麻呂が落胆しないように、諭している。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る