第1168話海人娘子 いざり焚く 火のおほほしく

海人娘子 いざり焚く 火のおほほしく 角の松原 思ほゆるかも

                     (巻17-3899)

※角の松原:「角」は、兵庫県西宮市松原町津門の海岸。「松原」の「松に」自分を「待つ」妻の意味が含まれている。


海人と少女たちが焚く漁り火は、ぼんやりと霞んで見えています。

そのぼんやりとした火と同じように、家でぼんやりと私を待つ愛しい妻のことが、思われてならないのです。


本当は、早く家に帰って、はっきりと妻の顔を見たいと思う。

しかし、まだ旅の途中。

海人と少女たちが焚く漁り火の。ゆらゆらとしたぼんやりさに、寂しげな妻の顔を思ったのかもしれない。

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