第997話馬来田の 嶺ろの笹葉の 露霜の

馬来田の 嶺ろの笹葉の 露霜の 濡れてわきなば 汝はこふばそも

                        (巻14-3382)

馬来田の 嶺ろに隠り居 かくだにも 国の遠かば 汝が目欲りせむ

                        (巻14-3383)

二首は上総の国の歌。


※馬来田:上総の郡名。現在の千葉県君津市から木更津市あたり。

※嶺ろ:どこの山か、不明。


馬来田の山の冷たい露に濡れながら私がいなくなると、貴方は恋しがるだろう。


馬来田の山で見えなくなった他国にいて、これほど故郷が遠くなったので、ますます貴方に逢いたくなるのだろう。


二首とも、旅に関係した男の歌。

出発に際して、妻が寂しがるだろうと憂い、遠く離れれば、妻に逢いたくて仕方がない。

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