第979話筑波嶺の 新桑繭の 衣はあれど

筑波嶺の 新桑繭の 衣はあれど 君が御衣し あやに着欲しも

                       (巻14-3350)

※新桑繭:春の一番繭。夏の二番繭から採った糸より上質とされた。


常陸の国の歌。


筑波山の新桑の葉で飼った繭で織った衣はあるのです。

それでも、私は貴方がお召しになられている衣を、着たいと切に思うのです。


古代は、男女が衣を交換し、愛を確かめ合う風習があった。

ただ、この歌の場合は、女が男の着物を単に欲しいと詠むのではなく、婚儀で謡われるお決まりの歌らしい。



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