第950話国遠み 思ひなわびそ 風の共

国遠み 思ひなわびそ 風の共 雲の行くごと 言は通はむ

                    (巻12-3178)


国が遠いからといって、落ち込まないでください。

風と一緒に雲が流れて行くように、言葉は通うでしょう。



古代、風や雲が思いを伝える、そんな俗信があった。

現代でも言われる「風の噂」の原点かもしれない。

奈良の都をはるかに離れて、地方に長く勤務する官僚が、ホームシックで落ち込んでいる。

それを、現地の人が慰めた歌らしい。


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