第783話ぬばたまの この夜な明けそ あからひく

ぬばたまの この夜な明けそ あからひく 朝行く君を 待たば苦しも

                          (巻11-2389)

※ぬばたまの:夜にかかる枕詞。

※あからひく:朝にかかる枕詞。明々と輝くの意味。


この夜は明けないで欲しいのです。

朝になると出て行ってしまう人を、また来られるまで待つのは、苦しくて仕方が無いのですから。


それが決まり、とわかっていても、別れはつらい。

また夕方に来てくれると思っても、それまで待つのが苦しい。

だから、ずっと真っ暗なな夜であって欲しい。

こんな歌を詠まれたら、男はますます、女が可愛くなって仕方がなくなる。


「亭主元気で留守がいい」などと大笑いする方々には、無縁の心理と思う。


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