第754話夕されば 衣手寒し 高松の
夕されば 衣手寒し 高松の 山の木ごとに 雪そ降りたる
(巻10-2319)
我が袖に 降りつる雪も 流れ行きて 妹が手本に い行き触れぬか
(巻10-2320)
沫雪は 今日はな降りそ 白たへの 袖まき乾さむ 人もあらなくに
(巻10-2321)
夕方にもなり、袖口に寒さを感じました。高松の山を見ると、全ての木に雪が降り積もっておりました。
私の袖に振って来る雪も、そのまま流れて、あの子の手に触れてもらえないだろうか。
泡雪は、今日は降らないで欲しいのです。袖を枕にして乾かしてくれる人がいないのですから。
袖と雪の歌を三首並べてみた。
夕方になり、袖口に寒さを感じて山を見ると、木々に雪が降り積もっている。
そして、雪は自分の袖にも降って来た。
同じ雪が彼女にも降って欲しい、つまり同じ経験をして、次に逢った時の話題にでもしたいと思う。
ただ、それほど多くは降って欲しくない。
袖を枕に乾かすような共寝も出来ないのだから。
古代において、室内暖房は囲炉裏程度。
だから、現代とは比較にならないほど寒い。
結局、共寝をして、人肌で温め合うしかない。
それを考えると、共寝ができないと、本当に寒く辛かったと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます