第751話はだすすき 穂には咲出ぬ 

はだすすき 穂には咲き出ぬ 恋を我がする

玉かぎる ただ一目のみ 見し人ゆゑに

                  (巻10-2311)

※はだすすき:「穂には咲き出ぬ」にかかる枕詞。

※玉かぎる:「ただ一目」にかかる枕詞。


そっと知られぬように恋をしているのです。

ただ一度だけの逢瀬のお方なのですから。


古代において「見る」は、逢瀬や共寝を意味する。

たまたまの、一度だけの逢瀬で、間もない時期だったのかもしれない。

今後、相手が通って来るか、それは確信が持てない。

そこまで、自分に自信がない。

だから、他人には知られないようにしている、と詠む。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る